通期の利益予想引き下げも、在庫積み増しで対応と説明
ダイフクの下代博社長は11月5日、オンラインで開催した2021年9月中間連結決算説明会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い日本の産業界で原材料不足の影響が広がっていることについて「在庫を積み増しており、心配なことは心配だが、何とか遅延なく今のところは製品を(顧客に)納めている。下期に売り上げが減額する懸念は考えていない」と説明した。
同社は22年3月期の連結業績予想に関し、原材料費高騰や新型コロナウイルスの感染拡大に伴う部材の調達難、一部地域での人件費高騰などが響き、営業利益を従来の470億円から450億円(21年3月期実績445億円)、純利益も340億円から325億円(同323億円)に引き下げた。
下代社長は北米の自動車業界向け大型案件で原材料不足などによる追加原価が発生したことが最も大きな下方修正要因になったと説明。その上で「これ以上(の追加原価が生じること)はない」と強調、悪材料は出尽くしたとの見解を示した。
同社決算によれば、自動化・省力化機器などの受注高が4~9月は商業・小売業向けが837億円で前年同期比80・8%増に達した。日本や北米でeコマース関連の伸びが続いていることが追い風となった。
エレクトロニクス向けが39・3%増の865億円、自動車・自動車部品向けが35・6%増の324億円、運輸・倉庫向けが43・6%増など好調だった。通期の受注高予想は従来から400億円積み増し、前期比25%増の5650億円に引き上げた。
下代社長は「eコマース関連だけでなく全ての製造業での自動化投資と、半導体関係の受注増が大変際立っている。特に半導体関係は当初予定よりはるかに上回っている。これからさらに上回る可能性もある」と語った。
(藤原秀行)