脱炭素に不可欠な技術と判断
川崎汽船は2月2日、カーボンニュートラル社会の実現に不可欠なCO2回収貯留技術(Carbon dioxide Capture and Storage=CCS)の世界的な展開を進める国際シンクタンク「Global CCS Institute」(GCCSI)に加盟したと発表した。
CCSは発電所や工場などから出たCO2を大気に放出せず回収し、地中深くに貯留・圧入する一連の技術を指す。2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けCO2削減の重要な役割を担うことが期待されている。
同社は現在CCS関連事業を積極的に推進しており、世界で初めて船上CO2回収装置の実証実験で排ガスからのCO2分離・回収に成功し、計画通りの性能を達成したの確認。さらに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の行う液化CO2船舶輸送に関する実証試験に参画し、将来的なCO2の長距離・大量輸送に資する研究開発を進めている。
実証試験に使用する液化CO2輸送船は世界初のCCUSプロジェクト向けの実証船として建設され、川崎汽船は長年に渡って培ってきた液化ガス船の安全運航や安全荷役に関する技術と知見を活用、CO2船舶輸送の技術開発に参画している。
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GCCSIは2009年にオーストラリア政府がCCS技術の世界的な利用促進を目的に設立。現在は政府関係、産業界や研究機関など世界中の団体が加盟している。GCCSIではCCSの最新の動向調査を行うとともに会員同士の分科会を開催。今後の国際的なCCSプロジェクトの立ち上げに向けた議論が進んでいる。
川崎汽船はGCCSI加盟で国際的なCCSの開発・事業展開について常に最新の情報を把握するとともに、CO2の船舶輸送などCCS関連事業への参画の検討を加速する。
(ロジビズ・オンライン編集部)