天井のカメラで現場の様子を確認、今春めどに提供開始目指す
NECは2月2~3日に東京都江東区有明の東京ビッグサイトで開催された「ロジスティクスソリューションフェア」に、新たな協調搬送ロボットを出展した。
人間が働く物流施設内のスペースで、協調してかご台車などを運ぶことができるのが特徴。搬送する対象物を自動で検知し、2台のロボットで挟んで動かす点が非常にユニークだ。同社は今年の春をめどに協調搬送ロボットの提供を始めることを目指している。
協調搬送ロボット。2台でかご台車などを挟んで運ぶ
今回お披露目した協調搬送ロボットは、これまで開発してきたものの性能やデザインをさらに改良した。天井に取り付けたカメラが物流施設内の現場の様子を撮影し、指定の場所に搬送すべき荷物が置かれたことを自動で把握すると、協調搬送ロボットが移動し、台車などを挟んで搬送を始める。
協調搬送ロボットは音と光で人間に状態を通知。荷物をどこからどこへ運ぶのかはタブレット端末から専用のアプリケーションを使って簡単に指示できるようにしている。
天井から状況を把握しているため、床に二次元バーコードを貼り付けたり、ロボットごとに走行ルートを細かく設定したりする必要がないのがメリットだ。
2台のロボットで挟む形にしたのは、1台のみ運用する場合、運ぶ対象となるかご台車などのユニットロードの形が変化した場合、新たな治具を開発するなどの手間が必要になってくることを考慮している。下部に車輪が付いているものであれば何でも取り扱えるのが強みだ。
NECは協調搬送ロボットを従量課金制で提供、導入のハードルを下げることも検討している。
天井のカメラで現場の様子を把握
(藤原秀行)