CBRE1~3月調査、新規供給は過去最大規模
シービーアールイー(CBRE)は4月28日、今年1~3月期の大規模マルチテナント型物流施設の賃貸市場動向に関する調査結果を公表した。
首都圏の1坪当たり実質賃料は4520円で、前期(21年10~12月)から1.1%上昇した。賃料単価の高い市街地近郊で複数の棟が新たに竣工したことが平均を押し上げたようだ。
CBREは「空室を残して竣工したものもあるため、エリアによっては今後賃料が弱含むことも考えられる」との見方を示した。
首都圏の平均空室率は4.4%で、前期から2.1ポイント上がった。2四半期ぶりの上昇で、4%台に到達したのは2019年第1四半期(1~3月)以来、3年ぶり。新規需要は旺盛だったものの、大型案件が空室を残して完成したことが影響した。
CBREによると、1~3月の新規供給は26万坪で、四半期としては2004年の調査開始以来、最大だった。新規需要は15万坪で、過去3年間の平均14万坪とほぼ同水準で、旺盛な状態が続いている。
来期(4~6月)の新規供給は12万坪と、今期の半分以下になることに加え、プレリーシングが比較的良好のため、空室率はいったん下がる見通し。ただ、CBREは「23年にかけての大量供給により需給緩和の基調に変わりはないだろう」と展望している。
首都圏の需給動向(CBRE資料より引用)
主要4エリアごとに空室率を見ると、東京ベイエリアは前期の0.5%から13.2%へ大きく上昇した。外環道エリアは1.5ポイント低下し0.9%、国道16号エリアは2.4ポイント上昇し5.4%、圏央道エリアは2.2ポイント上昇し3.1%だった。
実質賃料は東京ベイエリアが0.1%上昇し7530円、外環道エリアが0.2%下落し5190円、国道16号エリアが0.9%上昇し4510円、圏央道エリアが0.6%上昇し3620円だった。
調査対象は首都圏1都3県を中心とする地域で延べ床面積が1万坪以上の215棟。
(藤原秀行)