全国に約100台順次導入、人手不足対応の施設管理手法確立へ
三菱地所は1月22日、東京・大手町の同社本社で、AI(人工知能)を搭載した自動掃除ロボットの実証実験をメディアに公開した。
ロボットはソフトバンクロボティクスが開発した「Whiz(ウィズ)」。高さは約65センチメートル。最初に記憶させたルートに沿って最高時速2・5キロメートルで自律走行し、床のごみを吸い取る。1時間で500平方メートル分を清掃できる。
自動掃除ロボット「Whiz」
記録させたルートを自律走行する「Whiz」
三菱地所は実験結果を踏まえ、今年4月以降に全国で自社グループが保有・運営管理しているオフィスビルや商業施設、物流施設などにウィズ約100台を順次導入、清掃業務の効率化と省人化を図る。人手不足に対応した新たな施設管理の手法を早期に確立し、オフィスビルなどの価値を高めたい考えだ。
将来は運搬ロボットの公道走行も視野
同社は実験と併せて、商業施設などの中で商品を運搬する仏エフィデント 製ロボット「EffiBOT(エフィボット)」のデモンストレーションも実施した。300キログラムまで搭載可能。センサーで人間の位置を検知し、後を追尾して動くほか、事前に学習させたルートに沿って障害物を避けながら移動することも可能だ。
運搬ロボット「EffiBOT」
人の後を追尾して動く「EffiBOT」
三菱地所は福岡市の商業施設「MARK IS(マークイズ)福岡ももち」に昨年11月導入、荷さばき場に到着した商品を各ショップに届けたり、資材を運んだりする館内物流を担っている。
同社ビル運営事業部兼経営企画部DX(デジタルトランスフォーメーション)推進室の渋谷一太郎氏は「さらに一歩踏み込み、東京の丸の内や横浜のみなとみらいで、行政の許可を取得した上でこうしたロボットを公道で走らせ、町の運営管理に役立てられないか検討している」と意気込みを語った。
この日は他にも別のタイプの自動清掃ロボットや警備ロボットがお目見えした。
三菱地所が公開した清掃・警備・運搬ロボット
(藤原秀行)