日立物流、欧州域内の返品物流事業を強化

チェコのグループ会社がEC向け事業取得

日立物流は5月27日、2007年にグループ入りしたチェコの物流企業ESA s.r.oが、EC事業者向けに返品物流事業（リバースロジスティクス）を提供している同国の物流企業Vlková Partners s.r.o（ヴルコヴァパートナーズ、VP）から6月1日付で事業を取得すると発表した。

VPは欧州最大手のEC事業者グループの1社を顧客に抱え、近年の欧州における旺盛なEC需要を追い風にしてアパレルECの返品業務を受託、事業を拡大してきた。ESAはこれまでもVPから業務の一部を受託し、パートナーシップを構築してきた。

今後リバースロジスティクスの市場規模がさらに拡大すると判断、全事業の取得を決めた。取得額は開示していない。

日立物流グループは中期経営計画「LOGISTEED2024」で海外事業の強化・拡大を重点施策の一角に掲げている。ESAの事業取得で欧州域内ECのリバースロジスティクス事業をサービスメニューの1つとして提供する。

欧米はECの返品率が高く、特にアパレルは突出している。市場の拡大に伴い返品物量も増加しており、EC事業者にとって返品対応はマネジメントにおける重要な要素の一つになっている。

今後、コスト競争力が高い東欧に進出するとの見込みから、日立物流はリバースロジスティクス事業としてグループ欧州事業とのさらなるシナジー創出が期待できるとみている。今回の事業譲り受けでESAのリバースロジスティクス処理能力は2024年に約6倍へ拡大する見通し。

VPの概要

（藤原秀行）