業務最適化や電子化のコンサルティングサービス提供
デロイトトーマツグループのデロイトトーマツ税理士法人と貿易に関する各種情報の一元的な管理が可能なシステム「TradeWaltz（トレードワルツ）」を運営するトレードワルツは6月20日、貿易業務の完全電子化に向け、協業の範囲を拡大すると発表した。
貿易関係帳簿・書類の電子化から、貿易プロセス全体の円滑化・最適化・再構築に関わるコンサルティングサービスに対象を広げる。
（両社提供）
両社は昨年5月、電子帳簿保存コンサルティングサービスに関する協業を開始。国土交通省が運用している、民間事業者間の港湾関連手続きを電子化する新たな情報システム「Cyber Port（サイバーポート）」の利用者拡大に向けた取り組みや、AIを活用した税関事後調査先の選定、リモートでの事後調査などの官側の取り組みに加え、国際的な貿易プラットフォーム立ち上げの活性化、NACCS（輸出入・港湾関連情報処理システム）やCyber PortとTradeWaltzの連携など、民間側や官民合同で貿易プロセスIT化に向けた動きが加速している。
両社は足元で貿易関係帳簿・書類の電子化を契機に、貿易書類の電子化にとどまらず、貿易実務全体の棚卸し・見直しとIT化の検討・実施を希望する事業者が増えている半面、事業者から今後民間のプラットフォームはどこが主流になるのか、Cyber PortやNACCSなど官側のシステムとの連携はどうなるのか、電子保存に関する税関の運用や税関事後調査対応はどうなるのか、システム導入の前後で、自社の貿易業務はどう変わるのかといった悩みや戸惑いの声も挙がっている点を重視。協業を深めて対応を強化することにした。
協業拡大でデロイトトーマツが窓口となって提供する貿易プロセスの効率化・適正化コンサルティングサービスの中で、活用するツールの候補の1つとして「TradeWaltz」を紹介。併せて、トレードワルツは「TradeWaltz」の導入を検討している事業者に対し、コンサルティングサービスの提供者としてデロイトトーマツを案内するなど、相互協力の下、事業者の貿易プロセスの改善・電子化を後押しする。
また、7月からはデロイトトーマツが手掛けているクラウドベースのHSコード検索エンジン「Trade Search」を、TradeWaltzの連携App Store上でも提供する予定。
貿易プロセス全体の円滑化・最適化・再構築に関するコンサルティングサービスの概要（両社提供）
（藤原秀行）
