SBSグループも協力
A.L.I. Technologiesは6月20日、ドローン運航管理システム(UTM)の国内普及の第一弾として、エアロジーラボ(AGL)の機体に独自開発したドローンの運航管理・制御システム「C.O.S.M.O.S.(コスモス)」を搭載、無事に飛行実証を完了したと発表した。実験はSBSグループも協力した。
コスモスはドローンを含むUAV(無人航空機)などの運用をサポートする空域管理技術。UAVの自動運用の原則となる、機体の健全性、運用の確実性、周辺と運用者の安全性をより確実に計画・監視・管理することができる。主な機能としてドローンの複数台一元管理や遠隔操作によるドローンの自動航行設定などを備えている。
コスモスを使うことで、飛行現場だけでなく遠隔地からもリアルタイムで機体の状態や運航の状況を確認できる上、ドローンの飛行場所・航行ルートの指示や監督も行える。
実証は長距離航行が可能なAGL社製機体「AeroRangeQuad」を用いて、物流オペレーションを想定した飛行性能とコスモス搭載による飛行影響の有無を確認。目視内・目視外のフライトをそれぞれ実施し、インターネットを経由してコスモスのサービス上でドローンからの映像が見られることや、プログラミングした自動航行中の機体をコスモス経由で一時停止させるなどの遠隔操作の動作性を確認できた。
今回の取り組みはA.L.I.と資本・業務提携を結んでいるエアロダインジャパンも加わり、3社共同プロジェクトの1つとして始動。コスモスの国産機導入第1号となったAeroRangeQuadは、今後マレーシアで20キロメートル以上の航行距離を飛行する耐久性能試験に参加。その様子をコスモス経由で日本から確認する。
今回物流会社として協力したSBSグループとは、今年12月に政府が解禁予定の、有人地帯での目視外補助者なしの飛行(レベル4)を見据え、物流ドローンによる飛行実証を協業で進める。
(藤原秀行)※写真はA.L.I. Technologies提供