欠品率維持し最大2割の在庫削減可能に
センコーグループホールディングスは6月29日、傘下のセンコーが、三菱商事とNTTが共同出資して設立した、デジタル技術を活用した在庫最適化などに取り組むインダストリー・ワンと連携し、センコーが運営する物流センターの入出荷データなどを活用して構築したAI需要予測モデル実証の結果、余剰在庫の削減と欠品率低減による戦略的な在庫管理や発注業務効率化で一定の効果を確認したと発表した。
実験はセンコーが運営している物流センターの食品カテゴリーの商品を対象に、2021年12月から今年3月まで展開。AI需要予測モデルによる推奨発注数の自動提案を通じ、在庫削減と欠品率低減でどの程度効果が出るか試算した。
その結果、発注頻度が週1回以上で出荷量が上位50%以上の商品では、欠品率を現行水準に保ちながら最大2割の在庫削減を実現したという。
実証実験の流れ（プレスリリースより引用）
実証結果を踏まえ、センコーとインダストリー・ワンは今後、他のセンターの取引データも幅広く分析して予測レベルの高度化を図り、人手不足や過剰在庫など物流業界の課題解決にとどまらず、フードロスやCO2排出量削減といった社会全体で克服すべき問題の解決にも貢献していきたい考え。
（藤原秀行）
