東京汽船向け12月末までに納入、海運領域のゼロエミッション貢献目指す
スイスの重電大手ABBの日本法人は6月30日、IHI原動機と連携し、東京汽船に東京湾港向けの電気推進タグボート「大河」を開発したと発表した。
新造船は、ABBの電力システムプラットフォーム「Onboard DC Grid」を搭載。エネルギー源と負荷をシンプルで柔軟かつ機能的に統合しており、日本では初の電気推進タグボートとなる。
電気推進タグボート「大河」は、東京汽船と完全電化船の企画・開発を目的とした日本のコンソーシアム「e5 Lab」が協力して生み出した。金川造船(神戸市)が建造し、今年12月末までに納入予定。
港湾環境でのゼロエミッション(温室効果ガス排出実質ゼロ)運用を可能にするよう設計しており、ABBは2050年までに国際輸送に携わる船舶からの温室効果ガス排出量ゼロを達成するという日本政府の目標達成を後押ししたい考え。
(東京汽船提供)
東京汽船の港湾タグボートは、ABBが供給・統合した2.5メガワット時の電源システムで、他の船舶を押したり牽引したりして操船し、日々の温室効果ガス排出を削減するとともに、長期の停電を防ぐための回転予備電源としても活用できるのが特徴。
(藤原秀行)