トヨタなど出資のCJPTが福島と東京でEV・FCV商用車普及へ実証実験、荷主や物流事業者など30社超参加★続報

トヨタなど出資のCJPTが福島と東京でEV・FCV商用車普及へ実証実験、荷主や物流事業者など30社超参加★続報

29年度末まで、最適運行可能なエネルギーマネジメントシステム確立目指す

トヨタ自動車など主要自動車メーカーが資本参加し、商用車の技術開発を手掛けているCommercial Japan Partnership Technologies(CJPT)は7月19日、福島県と東京都で、温室効果ガス排出を抑えられる商用の電動自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の開発・普及に向けたエネルギーマネジメントシステムの実証実験を2023年1月に始めると発表した。

物流領域でも脱炭素の機運が高まっているのに対応。EVやFCVのトラックを実際の配送に活用し、使い勝手や普及のための課題を探る。

CJPTは小型EV(電気自動車)や自動運転技術などの開発を担うため2021年に発足。トヨタといすゞ、日野自動車、スズキ、ダイハツ工業が共同で出資している。

実験には荷主企業や物流事業者、自動車メーカーなど36の企業と自治体、公的機関が参加。幹線輸送にFC大型トラックを、ラストワンマイル配送に商用軽バン電気自動車(BEV商用軽バン)を投入するとともに、EVやFCへ供給するエネルギーの最適管理が可能なエネルギーマネジメントを構築。社会全般の負担とCO2排出量の削減につなげていく考え。

実験は2029年度末(30年3月末)までの予定。福島県と東京都の配送業務、東北~関東~関西の幹線輸送をそれぞれ対象として行う。FC大型トラックやFC小型トラック、BEV小型トラック、BEV商用軽バンを計約580台導入する予定。併せて、車両と充電・水素充填インフラ、運行データを一元的に管理できるシステムも構築する。充電量を最適化し、電力需要が特定の時間帯に突出しないようにする。

参画パートナーは以下の通り(7月19日現在)。

福島県、東京都
アサヒグループジャパン、アマゾンジャパン、いすゞ自動車、岩谷産業、ENEOS、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、小名浜包装資材、佐川急便、佐藤燃料、シオヤ産業、スズキ、西濃運輸、セブン‐イレブン・ジャパン、ダイハツ工業、田村建材、東京ガス、巴商会、トヨタ自動車、トヨタモビリティパーツ、日本エア・リキード、日本通運、日本郵便、根本通商、磐栄運送、日立物流、日野自動車、ファミリーマート、福山通運、ヤマト運輸、大和電設工業、ヨークベニマル、ローソン、国立研究開発法人産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所再生可能エネルギー研究センター

量販燃料電池小型トラックや商用軽バン電気自動車も開発へ

また、トヨタといすゞ、日野、CJPTの4社は7月19日、量販FC小型トラックの企画・開発を共同で行うと発表した。CJPTが企画を担い、いすゞと日野の両社が長年蓄積してきたトラックの技術とトヨタが持つFC技術を組み合わせ、4社の知見・技術を結集した新車両の開発を目指す。

2023年1月以降に市場へ導入し、福島県と東京都の社会実装プロジェクトで実際の物流現場に投入、活用してもらう予定。物流領域の脱炭素への貢献を図る。


量販FC小型トラックのイメージ(トヨタなど提供)

併せて、トヨタとスズキ、ダイハツ工業、CJPTの4社は同日、2023年度の商用軽バン電気自動車(BEV商用軽バン)導入に向け、共同で取り組む方針も公表した。

使いやすいBEV商用軽バンの実現へCJPTも企画に参画。スズキとダイハツが持つ軽自動車の製造に関するノウハウとトヨタの先進的な電動化技術を組み合わせ、スズキ、ダイハツ、トヨタの3社で軽商用車に適したBEVシステムを共同開発する。

BEV商用軽バンは、量産FC小型トラックと同じく、福島県と東京都における社会実装プロジェクトで、パートナー企業に現場で実際に提供する予定。

(藤原秀行)

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