ラックランドが工事担当、保管能力F級3万トンのマザーセンターに
冷凍・冷蔵設備の工事などを手掛けるラックランドは8月3日、中部冷蔵が愛知県新城市で7月に稼働させた完全自動冷凍倉庫「新城マザーセンター」の新築工事の際、防熱工事と冷凍設備工事の設計・施工を担当したと発表した。
「新城マザーセンター」外観
「新城マザーセンター」はアイスクリームや冷凍食品など幅広い商材を扱う拠点。東京~大阪間の中心エリアに位置し、東西および北陸圏を結ぶハブセンターとして機能させる。保管能力はF級3万トン、建物は冷蔵庫業界では高さ約30メートル(地上6階相当)の天井高を備える最大級の冷却設備を持った立体自動倉庫。ラックランドとしては最大級の冷却設備を備えたコールドチェーンの新築工事となった。
天井高が特殊だったため、まず全面での足場を組まずに済むよう日本に数台しかない高所作業車を導入し、施工の効率化と工期短縮を図った。次に、軽量かつ断熱性を兼ね備えたパネル素材を採用し、高所でも組み立てやすくした。最後に、地震への脆弱性が懸念されたため、大規模地震を想定してメーカーと協議し、高さのある壁に対する脱落防止の地震対策を施した。
他にも、フロン排出を抑えて環境に配慮したいというユーザーの要望に対し、新冷媒「R449A」に対応可能な、日本でもまだ2例目の大型冷凍機械設備(一体空冷式のスクリュー冷凍機)をメーカーに開発製作してもらい、導入した。GWP(地球温暖化係数)を2025年までに1500以下にするという基準を、1282という値でクリアし、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成にも貢献できたという。
現場管理はリモートで安全パトロールを実施。少人数の施工体制で現場DXを実現し、業務効率を果たした。
ラックランドは今後も、本物件の実績を活かし当社の事業分野の3つの柱「商業施設の制作事業、食品工場・物流倉庫の制作事業、建築事業」の一角を占める物流倉庫の制作事業で、SDGsの目標達成に貢献しながら顧客の要望に対応できるよう提案の幅を広げ、現場DXを加速していく構え。
【工事詳細】
中部冷蔵株式会社 新城マザーセンター( https://c-gr.co.jp/ )
クライアント : 中部冷蔵株式会社
用途 : コールドチェーン
所在地 : 愛知県新城市八束穂イバラ740番地32
工期 : 2021年7月~2022年6月
稼働月 : 2022年7月(2022年6月竣工)
業務範囲 : 防熱工事・冷凍設備工事に関する設計施工
敷地面積 : 26,612.3m²(8,055.22坪)
【施工写真】
(いずれもラックランド提供)
(藤原秀行)