EU諸国で続々展開へ
東京理科大学発ベンチャーのイノフィスは8月4日、物流などの作業時に装着して腰や腕への負荷を軽減する「マッスルスーツ Every(エブリィ)」の販売を新たにドイツで開始したと発表した。
ドイツは労働安全保護の観点から、作業者のアシストスーツ着用に対する認知度や関心が高く、業界大手といわれる外骨格型(Exoskeleton、エクソスケルトン)アシストスーツのメーカーが多く存在しており、EUの中でもまさに主戦場といえる市場。同国からはかねてより多くの引き合いがあり、今回契約をした販売代理店は5月に開催された世界有数の大型産業展「ハノーバーメッセ」で実際にマッスルスーツを体験、効果を体感したことが、販売契約締結の決定打になったという。
ドイツでは主に製造業への進出に注力して製品を展開する。イノフィスは今後もさらにEU諸国での事業展開を加速、海外売上高の比率を高めていくことを目指す。
マッスルスーツEveryは中腰姿勢を保つ、人や重い物を持ち上げるなどの作業時に腰の負担を低減するアシストスーツ。最大25.5重量キログラムの補助⼒を備え、重量は3.8キログラムと軽量化。電力を使用せず、圧縮空気を使用した人工筋肉が補助力を発揮するため、製造・農業・介護・物流・建設などの作業現場に利用できるのが特徴。
4月末現在、マッスルスーツはシリーズ累計出荷台数が2万台を突破しており、イノフィスは人工筋肉を使用した外骨格型アシストスーツでは世界一の出荷台数と説明している。
(藤原秀行)※写真はいずれもイノフィス提供