東レインターナショナルが国内初、リサイクルポリエステル糸使用した環境配慮型貨物吊り具の販売開始

東レインターナショナルが国内初、リサイクルポリエステル糸使用した環境配慮型貨物吊り具の販売開始

強度確保、25年度に販売25万本目指す

東レの100%子会社で商社機能を持つ東レインターナショナルは8月18日、重工業・自動車・土木建築などのあらゆる製造・物流・工事現場で、資材や貨物の吊り上げに使用される繊維スリング(吊り具)「シライスリング」について、国内で初めてリサイクルポリエステル糸を使用した環境配慮型繊維スリングを開発、9月に販売を開始すると発表した。

販売数量は2023年度に10万本、25年度に25万本へ増やしていきたい考え。


繊維スリングの使用シーン

繊維スリングは、ワイヤロープやチェーンスリングに比べて軽量で柔軟性に優れているため、吊り荷を傷つけにくいのがメリット。取り扱いやすさから、作業の合理化や省力化にも役立つ。国内の様々な現場作業で使われており、市場は今後も安定的な成長が見込まれている。

昨今は社会のサステナブルへの関心の高まりを受け、現場で使われる繊維スリングについても環境配慮型製品に対する要望が高まっているのに対応した。

従来の繊維スリング(ベルトスリング)には、主として高強力ポリエステル糸が使用されている。一方、現在流通している高強力ポリエステルのリサイクル糸は、一部、養生ネットなど土木建築資材用途にて使われていたが、現状の性能(強度、伸度)では繊維スリングに求められる性能を満たすことは困難だった。

東レグループの技術・開発力を結集し、繊維スリングに適した強度・伸度を持つ高強力リサイクルポリエステル糸の開発に成功したことで、従来の繊維スリングと同等の性能を保持し、環境に配慮した製品の開発・生産体制を確立した。
 
今後、既存の繊維スリング製品を順次、環境配慮型製品に転換し、作業現場における環境配慮型製品の幅広い用途への導入を図ることで、持続可能な社会構築の一翼を担いたい考え。東レが手掛ける、貨物を固定するラッシング製品についても、環境配慮型製品の拡充を推進する。

製品概要
商品名:「シライスリング」 シグナルスリング
商品特長、技術概要:
・ワイヤロープやチェーンスリングに比べて軽量で柔軟性に優れており、扱い易く、作業の合理化と省力化に役立つ。吊り荷を傷つけにくい。
・工程屑(繊維・フィルム)をリサイクルすることで生産する、高強力リサイクルポリエステル原着糸を、スリング1本当たり約60~65%使用(マテリアルリサイクル)。
・リサイクル原着糸を使用しながらも、従来製品と同等の強度や伸度などのスペックを保持(JIS(日本産業規格)B8818 3等級 認証取得申請中)。
・公益財団法人日本環境協会の“エコマーク”認証取得済み。
展開用途:重工業・自動車・鉄鋼・造船・土木建築・物流・発電所等の現場における玉掛け作業(吊り荷作業)
発売時期:2022年9月より販売開始。
販売目標:2023年度 販売数量10万本/年、 2025年度 販売数量25万本/年


環境配慮型 繊維スリング製品(いずれも東レ提供)

(藤原秀行)

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