出光が業界初、商用ディーゼルエンジン車のDPFを超寿命化する無リン無灰オイルを開発

出光が業界初、商用ディーゼルエンジン車のDPFを超寿命化する無リン無灰オイルを開発

労務時間や燃料使用量の削減効果に期待

出光興産は8月29日、エネルギー業界初となる無リン無灰のディーゼルエンジンオイル「idemitsu AshFree」(イデミツアッシュフリー、粘度グレード:10W-30、荷姿:200リットルドラムまたは20リットル缶)を9月1日に発売すると発表した。

「idemitsu AshFree」は、ディーゼルトラックやバスに搭載される排ガス浄化処理装置DPF(Diesel Particulate Filter、ディーゼル微粒子捕集フィルター)の目詰まりの要因となる灰を出さないオイル。DPFの寿命延長によるメンテナンス費用削減やDPF再生3時間短縮による労務時間・燃料使用量の削減を実現するのが特徴。同社の特約販売店を通じて販売する。


idemitsu AshFree(20L缶)(プレスリリースより引用)

トラックやバスのエンジンに使用されている従来のディーゼルエンジンオイルには清浄性や耐摩耗性を向上させるため、添加剤として金属添加剤が含まれているが、灰となるためDPFを詰まらせ、トラブルの要因となることが長年の課題となっていた。

課題を根本的に解決するため、灰を減らすのではなく、そもそも出さないというコンセプトを設定。独自の添加剤処方技術により、灰となる金属添加剤を使用しないディーゼルエンジンオイルの開発に成功した。

【idemitsu AshFree特長(期待効果)】
1. DPFの寿命延長
DPFに灰が溜まらず、DPFの寿命延長(DPFの交換、洗浄などのメンテナンスコスト削減)が可能。
2. 労務時間の改善
DPFの手動再生に費やしていた労務時間を削減し、負担を軽減。
3. 燃料消費量の削減
DPFの再生回数増加を抑制するため再生に使用する燃料を削減。
4. 優れた高温清浄性
優れた高温清浄性と低い蒸発性を有しており(当社DH-2オイル対比)デポジット抑制(EGRなど)も期待可能。
5. 環境への貢献
DPFの再生回数抑制などによりCO2排出量の削減につながります。また、リンを使用しないことにより、触媒の被毒を抑え、触媒の交換を減らすことが期待可能。

(藤原秀行)

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