【物流展】3日間で4万人が来場登録、自動化・省人化技術に強い関心★訂正

【物流展】3日間で4万人が来場登録、自動化・省人化技術に強い関心★訂正

脱炭素への貢献うたったソリューションも目立つ

※ダイフクの展示内容紹介に誤りがあったため、差し替えました。関係各位に深くおわび申し上げます

アジア最大級の物流に関する展示会「国際物流総合展2022」(主催・日本ロジスティクスシステム協会、日本能率協会など7団体)が9月13日、東京都江東区有明の東京ビッグサイトで開幕した。出展企業・団体は526(共同出展含む)と過去最多を記録。来場登録者は13~15日の3日間で4万人を超す盛況ぶりだ。人手不足の深刻化を受け、物流業界全体で自動化・省人化への関心が非常に高いことをあらためてうかがわせた。最終日の16日も多くの来場者が見込まれる。

15回目の今年は「ロジスティクスのNew Standard」をテーマに設定。現場の人手不足や脱炭素化など物流が直面している数々の課題を解決できるよう後押しするための新たな技術や製品、ソリューションが所狭しと披露された。

会場では併せて、出展者らによるセミナーも多数開催、物流現場のDX促進の重要性など情報発信にも努めている。物流領域で温室効果ガス排出削減が世界的に強く求められる中、再生可能エネルギーや水素の活用など、脱炭素への貢献をうたった展示も目立った。


物流業界関係者らが詰め掛けた会場

大型商品扱えるピッキング支援AMRなどお目見え

会場では豊田自動織機のトヨタL&Fが新たに開発したトラックの荷下ろし・荷積みを自動化するAI搭載のフォークリフトを公開。トラックの停車位置や荷物の位置が毎回異なっている現場でも対応が可能なため、同社は物流現場の作業で自動化できる範囲が広がると期待している。併せて、稼働時に温室効果ガスを排出しない新型の燃料電池フォークリフトも発表した。


AI搭載の新型自動フォークリフト

ダイフクは今年6月にリニューアルオープンした滋賀県日野町のマテハン機器に関する総合展示場「日に新た館」とのライブ中継を実施。eコマースの拡大に伴って自動化のニーズが高まっているピース品の取り扱いに対応した3機種を紹介した。オカムラはAutoStore(オートストア)の自動倉庫システムなどに併せて、かご台車に乗った荷物の搬送や整列配置を自動化できる自律移動ロボット「ORV」を発表した。

日本パレットレンタル(JPR)はAIを活用した企業間の共同輸配送マッチングサービス「TranOpt(トランオプト)」を説明、トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」に対応する上で共用輸配送が有効とアピールした。2024年問題は多くの出展者が様々なアプローチで対策することに言及しており、関係者の間で“物を運べなくなる未来”への危機感が高まっていることを印象付けた。


オカムラのORV

オークラ輸送機は「歩かない。持たない。探さない。~Smart Picking & Palletizing~」を体現する様々なAGV(無人搬送ロボット)やAMR(自律移動ロボット)、立体ピッキングシステムなどを展示し、包括的に物流業務を自動化・省力化することの重要性を訴えていた。

Mujinは国内で初めて、知能ロボットを利用した混載ケースの積み付け出荷のデモを公開。積み付け作業をスムーズに自動化できるため、省人化とコスト削減を図ることが可能という。豊田自動織機やレンゴーのブースで自動化機器などと連動した作業自動化のソリューションも提唱した。

ラピュタロボティクスは、ピッキング作業を支援する人との協働型AMRで大容量の75リットルコンテナサイズに対応可能な新機種をお披露目した。ECの利用が広がる中で大型商品の取り扱いが増えていることに対応した。

中国系のロボットメーカー、ギークプラスは新たな庫内庫内作業自動化のソリューション「PopPick(ポップピック)」を公表。商品保管棚をAGVが持ち上げてステーションと呼ぶピッキング作業場所まで搬送した後、出庫する商品を収めたコンテナをクレーンが棚から取り出し、作業者の手元まで自動で運ぶため、手間を大幅に削減できることを盛んにPRしていた。


「PopPick」

同じく中国系のHAI ROBOTICS JAPANとセイノー情報サービスは、マスト昇降式ACR(自動ケースハンドリングロボット)「HAIPICK A42T」を初公開した。庫内空間をより広く活用できるのがセールスポイントで、セイノー情報システムが得意とするRMS(マルチロボット管理システム)と組み合わせることで、他のAGVなどと円滑に連携させることが可能という。

YEデジタルはWES(倉庫自動化システム)「MMLogiStation」(MMロジステーション)の利用を来場者へ積極的に提案。ロボットやマテハンのメーカーの垣根を超え、円滑に各機器を稼働させられるのが特徴だ。導入前に3D可視化技術で現場の業務効率化効果の見通しを把握することも可能。


デモをするHAIPICK

(藤原秀行)

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