JリートのCREロジが運用、債務履行姿勢をアピールか
JリートのCREロジスティクスファンド投資法人の資産運用を担うCREリートアドバイザーズは9月30日、ポートフォリオに組み入れている物流施設「ロジスクエア草加」(埼玉県草加市)の一角を契約中で、8月に民事再生法の適用を申請、経営破綻した日本ロジステックが同日、2022年9月分と10月分の賃料・管理費全額を支払ったことを確認したと発表した。具体的な金額は開示していない。
日本ロジステックは申請に伴い、東京地裁から保全命令を受け、8月29日までの債務の支払いを止められているが、今回の賃料などは対象外。
CREリートアドバイザーズによると、日本ロジステックが借りている面積は約2万9000平方メートルで、ロジスクエア草加の総賃貸可能面積に占める割合は5%程度に上り、その全てを転貸しているという。
東京地裁は9月1日、民事再生手続きの開始を決定。日本ロジステックは再生計画案の策定を進めている。取引先などの信用を維持するため保全命令対象以外の債務は確実に履行する姿勢をアピールした格好だ。CREリートアドバイザーズは「引き続き民事再生手続きの進捗を注視する」とコメントしている。
日本ロジステックに関しては、2019~22年にかけて役員が主要取引先の楽天モバイルの従業員(8月に懲戒解雇)と共謀、楽天モバイルに不正な水増し請求を続け、水増しで得た分を楽天モバイルの従業員に還流していた疑いが浮上しており、楽天モバイルからの刑事告訴を受けて警察が捜査に乗り出している。
楽天モバイルが問題発覚後、日本ロジステックの預金約4億円の仮差し押さえを東京地裁に申請、認められたことなどから日本ロジステックは資金繰りに行き詰まり、債務の支払いを一時ストップするため民事再生法の適用申請に追い込まれた。
「ロジスクエア草加」の外観(CREリートアドバイザーズ開示資料より引用)
(藤原秀行)