信越化学工業、「置き配」など対応の耐水性持たせるコーティング材を開発

信越化学工業、「置き配」など対応の耐水性持たせるコーティング材を開発

印刷はがれにくく、リサイクルも容易に

信越化学工業は10月6日、段ボールなどの紙製品に耐水性を持たせるとともにリサイクルを飛躍的に促進できるコーティング材の新製品「Sicle」(サイクル)を開発したと発表した。玄関などに宅配荷物を届ける「置き配」でも雨などに耐えられると見込む。

一般の耐水コーティング材や耐水フィルムを使った紙をリサイクルするには、環境への負荷を考慮し、コーティング材やフィルムを分離する必要がある。新製品はケイ素と酸素由来の成分で構成。分離を不要とするリサイクルを環境に負荷を与えることなく実現できるのが特徴。

また、新製品をコーティングすることにより、段ボールなどに貼った粘着テープをはがしても印刷がはがれなくなる。段ボールのリユースも促進し、温室効果ガスの削減にも貢献すると見込む。

「Sicle」で含浸、コーティングした段ボールは、次のような特色を持つ。

①高い耐水性。雨に濡れても強度を維持し、置き配の大事な荷物を守る
②リユースが可能。コストを削減できる
③段ボールのリサイクルが可能。古紙リサイクル工程で使用される溶解液(苛性ソーダ)に「Sicle」は溶解され環境に悪影響を及ぼさない
④着火しても燃え広がらない難燃性を持つ

段ボールは、古紙を主原料としリサイクルが容易である点から、地球環境に優しい包装資材として食品、飲料を始め広い業界で使用されている。近年は電子商取引の拡大に伴う包装資材の需要の高まりにより、段ボール需要は堅調に伸びており、今後も成長が見込まれている。災害発生時には避難所で段ボール製ベッドの活用が広がっているほか、一般家庭向けのテーブル、椅子、収納ケースなどの段ボール製家具や物流で用いられる段ボール製パレットも注目を集めている。

「Sicle」は、それぞれの用途で段ボールに高耐水機能を付与し、包装資材としての段ボールの高機能化に寄与。さらに環境保全と資源循環の観点で段ボールの新たな市場の開発を促すとみている。


高圧のシャワーで10分間、水を浴びせた段ボール(左:Sicleのコーティング無し、 右:Sicleのコーティング有り)(プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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