1000Lの荷室でラストワンマイルの物流に最適、23年初旬の本格開始目指す
国内唯一の折り畳み電動バイクのシェアリングサービス「Shaero(シェアロ)」を運営するシェアード・モビリティ・ネットワークスは10月14日、1000リットルの荷室を備え、様々な物流ニーズに対応可能な小型の「デリバリートライク」のシェアリングサービスの運用テストを10月に開始すると発表した。2023年初旬にサービスを本格的に始めたい考え。
Shaeroは都市部での数駅分の距離を、効率的なルートで自在に移動できるエコなツールとして、昨年9月にサービスを開始。首都圏および沖縄エリアでサービスの拡大を図っている。折り畳み電動だけでなく、様々な電動モビリティのシェアリングサービスを通じて、日常生活での移動や観光、配送などのシーンの選択肢を増やすことを目指している。デリバリートライクのシェアリングもその一環。
デリバリートライクを同社が運営するシェアリングシステムに登録し、まずは車両の製造・販売を行うアクセス(山梨県甲府市)の拠点やShaeroの拠点で運用テストを始める。今後は協力会社と連携して実証実験を行い、本サービス開始に向けた課題の洗い出しなどを進める。
Shaeroのアプリとシェアリングシステムに、法人向けの「デリバリーモード」を実装。法人顧客専用のステーションとして登録することで、法人登録ユーザー、法人専用ステーション、法人専用シェアリング車両などを、一般のShaeroステーションや車両と分けて登録法人ごとに管理することが可能になった。折り畳み電動バイクと同様、Shaeroアプリからレンタル・返却や電源のオン・オフが可能で、アプリを通じた車両の利用履歴管理や運用管理もできる。
Shaeroのシェアリング車両に、物流のラストワンマイルに最適な「デリバリートライク」が加わることで、様々なビジネスシーンでの移動や配送などに活用が広がると見込む。
Shaeroは、法人向けのサービス以外でも、一般のShaeroステーションとして「デリバリートライク」を配置するステーションの展開を計画しており、Shaeroアプリのユーザーであれば誰でも「デリバリートライク」を利用できるようになる。日常の中で大きな荷物を運ぶ必要がある際、たくさんの買い物をする際などに使えるようにし、より便利に自由に移動を楽しめる社会を目指す。
デリバリートライクは幅115センチメートル、全長248センチメートルとコンパクトなサイズ。車両登録はミニカーで、最大積載量は90キログラム、最高速度は時速45キロメートル。ラストワンマイルの配送ニーズや、個人的な荷物の運搬のニーズなどに最適とみている。
満充電走行距離は60キロメートル(リチウムモデルでは120キロメートル)。100円の電気代で約100キロメートル程度の走行が可能となっており、CO2の排出を抑え物流分野での環境負荷低減に貢献できると見込む。
(藤原秀行)※写真はいずれもシェアード・モビリティ・ネットワークス提供