現地企業と共同プロジェクト、年産50万t目指す
出光興産は11月30日、傘下の海外法人、出光オーストラリアの子会社Idemitsu Renewable Development Australia(出光リニューアブル・デベロップメント・オーストラリア、IRDA)を通じ、豪州クイーンズランド州アボットポイント港で、再生可能エネルギーを用いてCO2を生み出さずに生成した水素を原料にしている「グリーンアンモニア」を製造(年産50万t)・輸出するための共同調査プロジェクト「Hydrogen North Queensland」(HyNQ)を始めると発表した。
アボットポイント港エリアでグリーンアンモニアの製造・貯蔵・輸出を事業化できるかどうか、可能性を調査する。グリーンアンモニア製造に使用する水素の生成に必要な電力や、水の調達を内製化することを構想しており、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーを活用する電源設備の建設と海水を水源として使用するための淡水化設備を含めた水源の在り方も検討する。
脱炭素社会実現へ向け、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアは、エネルギーキャリアや発電・工業ボイラー用の新燃料として国内外で注目が高まっている。アボットポイント港は豪州国内で比較的日本に近い立地のため、調査では製造したアンモニアを日本向けに輸出することについても可能性を検証する。
プロジェクトには豪州のエネルギー企業Energy Estate(エナジーエステート)やCS Energy(CSエナジー)も参加する。
豪州は、政府による脱炭素化に向けたエネルギー転換が推進されている。出光はこれまで豪州での石炭鉱山操業を通じ、州政府や現地事業者との良好な関係を構築するとともに、物流などサプライチェーンに関する知見を蓄積してきた。事業基盤を活用し、今後も豪州のエネルギー転換に積極的に対応していくとともに、低炭素・脱炭素事業の創出に取り組む。
(プレスリリースより引用)
(藤原秀行)