出資伴わず、「想い共有の仲間拡大」目指す
日野自動車傘下で幹線輸送サービスを手掛けるNEXT Logistics Japan(NLJ)は12月22日、トラックドライバー不足や脱炭素化など、物流業界が直面する社会課題の解決に向けた取り組みを、日本全体でより一層加速することを目指し、任意の組織「NLJ Plus+」を設立したと発表した。
NLJはこれまで、取り組みに賛同した20社のパートナー企業とタッグを組み、各社の専門的な知見・技術を活用し、「ドライバー不足により物が運べなくなる社会課題の解決」に向け、一度により多くの荷物を積める25mフルトレーラーの運行や各社の商品・製品の混載など、高効率輸送スキームの構築を進めてきた。
2019年12月の事業開始から約3年で、幹線輸送の省人化・効率化の取り組みにより、従来比で運送人員を43%削減、CO2排出量の28%削減を実現。業種業態を超えた荷主からの荷物を、総勢20社のパートナー各社が持つそれぞれの知見・ノウハウを融合し、幹線と支線を総合してコントロールし、輸送することで、「運送人員を1/6」、「CO2排出量ゼロ」を目指している。
参加している20社はアサヒグループジャパン、江崎グリコ、ギオン、キユーソー流通システム、鴻池運輸、澁澤倉庫、鈴与、住友ゴム、摂津倉庫、千代田運輸、トランコム、ニチレイロジグループ本社、日清食品ホールディングス、日本梱包運輸倉庫、日本製紙物流、日野自動車、ブリヂストン、三菱HCキャピタル、三菱UFJ銀行、ユーネットランス。
パートナー企業は出資にとどまらず、人材や設備などのリソースを共有、NLJが目指す物流ソリューションの仕組み・ノウハウの構築を手掛けている。
NLJスキーム概要
NLJ運行実績
新たに設立した「NLJ Plus+」は、より幅広く、オープンな形で仲間づくりを進めることに主眼を置いており、出資を伴わずに参加できるようにしている。現時点で味の素、明治、コーナン商事、花王、カバヤ食品、森永乳業、サントリーホールディングスなど13社が名を連ねている。
NLJは「新たに加わった企業に、これまでNLJがパートナー企業と連携して培ってきた各種ソリューションを活用してもらい、物流業界における社会課題の解決を目指す、想いを共有する仲間の輪を一層広げていきたい」と説明している。
■「NLJ Plus+」参加企業(2022年12月22日時点 五十音順) 全13社
■NLJの取り組みと目指す姿
「ドライバー不足によりモノが運べなくなる」社会課題の解決を目指し、CASE(つながる車、自動運転、カーシェアリング、電動化)技術を活用した高効率輸送スキームの構築
●効率化・省人化
業種業態を超えた多様な荷物を混載した高効率輸送、また自動運転技術を活用した輸送人員の省人化を実現
●CO2排出量低減
各社の荷物を束ねてより少ない車両で運び、かつ最先端技術の車両を活用することで環境負荷を低減
●物流業界の価値向上
先進技術の活用や新たなサービスの企画開発などで付加価値を創出し、物流業界の発展に貢献
25mフルトレーラー
混載の様子(いずれもNLJ提供)
(藤原秀行)