23年2月1日以降、意思決定迅速化と現場近くへの権限委譲図る
日野自動車は12月27日、ディーゼルエンジンの認証不正問題を受け、再発防止に向けた2023年2月1日以降の新たな執行体制を公表した。
問題発生の背景と第三者の調査委員会などが指摘していた「行き過ぎた上意下達」「セクショナリズムの広がり」「スピード感のある課題推進が出来ていない」といった組織風土を変革するため、本部/領域制を廃止し、部の大くくり化・統廃合などで組織の階層を削減。
併せて、社内の各ユニット・機能に最高責任者となる「チーフオフィサー」や機能長を配置し、意思決定の迅速化とより現場に近い部分への権限委譲を進める。顧客や社会に貢献できる良い商品を作るという共通の目的を共有し、業務上の無駄排除と素早く自律的に考え判断する組織への移行を目指す。
さらに、室長ポジションの再設置などを通じ、部内マネジメントを充実させ、社員それぞれを重視する風土の醸成を図る。
経営層では小木曽聡社長がCEO(最高経営責任者)を務める。
チーフオフィサー制は親会社のトヨタ自動車が導入しており、親会社の事例を参考にして経営改善を目指す。
並行して、各機能を事業ユニットで横串を刺し、PO(プロダクトオーナー)を中心に自動車づくりの川上から川下まで一貫して顧客に向き合う体制を採用。POは従来の製品開発中心の役割から、事業収益も考慮した商品企画の段階より参画して開発、生産、販
売、顧客の稼働を支援するトータルサポートまで全工程にタッチし、適切な法規対応も含め、それぞれの商品・サービスのオーナーとしての役割を担う形に変える。
(藤原秀行)