埼玉・幸手、取扱物量2倍でも人員増必要なく
Mujinは12月28日、トラスコ中山が埼玉県幸手市に構えている旗艦物流センター「プラネット埼玉」で「MujinRobotパレタイザー」を導入したと発表した。
同センターは様々な自動化機器を採用。既に搬送・格納・箱詰めなどは自動化していたが、難易度の高い混載ケース積み付けは人手に頼っていた。今回、自動化を実現したことで、取扱物量が2倍に膨らんでも人員を増やさず、安定的に作業を継続できるようになったという。
出荷時のケース積み付け工程は上流の自動梱包機から、高さがランダムなケースが出てきて、コンベアで出荷エリアまで流されてくるため、従来はパレットへの積み付けを臨機応変に対応できる作業者に頼る必要があった。
Mujinは周辺設備と連携し、リアルタイムに計算可能な「MujinRobotパレタイザー」を開発。積み付け作業の自動化に成功した。梱包~積み付け~搬送という出荷工程全体の自動化を達成した。
Mujinはプラネット埼玉の出荷積み付け工程自動化におけるポイントとして、以下の3点を列挙している。
1.ロボット周辺機器との連携:
MujinRobotパレタイザーが上位システムと連携して取得したケースサイズを使用するため、ロボット側で計測する必要がなく、効率的な稼働を実現している
2.異なる2パターンの積み付け:
プラネット埼玉では、ケースサイズに応じて2パターンの積み付け方法をロボットが使い分けている
①ケースサイズが同一の場合
同じサイズのケースのみを積み付けする場合には、2ケース同時につかむマルチピックで搬送効率を高める
②高さ違いのケースを積み付ける場合
高さ違いのケースを同一パレットに積み付ける場合、ランダムに供給されるケースを、MujinRobotパレタイザーが最適な積み付け方法とロボット動作をリアルタイムで計算しながら、効率的に積み付ける
3.並行して3つのパレットへ積み付け:
プラネット埼玉は、MujinRobotパレタイザーの可動域を最大限利用することで、並行して3つのパレットへの積み付けを実現。ロボットは周辺環境や最終的な荷姿などを考慮し、常に最適な経路で積み付けすることができる。適切に積み付けを実行できるよう、ロボットのハンドに3Dビジョンを装着させることで、無人搬送機(AMR)によって設置されたパレットの位置を認識、動作を補正している。3Dビジョンを各パレットの上ではなく、ロボットハンドに1台装着させることで、3Dビジョンの台数を削減し、価格低減にもつなげている
Mujinはトラスコ中山が重要課題と位置付けている「人にも環境にも優しいサステナブルなプロツール流通の実現」の一助となるよう、今後もMujinRobotの開発を進める方針。ロボット単体にとどまらず、無人搬送ロボット(AGV)やロボット周辺機器を組み合わせた幅広い自動化ソリューションを提供できるようにする。
(藤原秀行)※写真と動画はいずれもMujin提供