【現地取材】ESR、横浜で「地域の特性重視」の大規模物流施設をメディアに公開

【現地取材】ESR、横浜で「地域の特性重視」の大規模物流施設をメディアに公開

19.5万㎡、旧三菱重工工場のガントリークレーンを産業遺産として保存

ESRは2月21日、横浜市⾦沢区幸浦で1月末に竣工したマルチテナント型物流施設「ESR横浜幸浦ディストリビューションセンター(DC)2」をメディアに公開した。

地上4階建て、延床⾯積19万5374㎡。横浜市の最南端にある⾦沢区の東京湾に⾯した約33万㎡の旧三菱重工業工場跡地に、4期に分けて計画している物流施設開発プロジェクトの2期⽬として建設し、昨年1月末に完成した1期⽬の「ESR横浜幸浦DC1」に続いてエリア2棟目となった。


施設の外観(ESR提供)


1階倉庫エリア


4階倉庫エリアは柱スパンが最大22m、天井高は6.4m


免震装置

国道357号線、16号線が⾄近で横浜横須賀道路の並⽊ICから約2.5km、⾸都⾼速道路湾岸線の杉⽥ICから3.0km、横浜港から15km、⽻⽥空港から31km、横浜中⼼部まで13km、東京都⼼まで46km。陸・海・空の輸送インフラへのアクセスに強みを持つ。

横浜環状南線(⼾塚IC~栄JCT~釜利⾕JCT)の開通で圏央道に直結し、東名⾼速道路など主要幹線道路へのアクセスが格段に向上する見込み。

大きな特徴が、東京湾に⾯する敷地南部で⻑年実際に使⽤され、現在も姿をとどめているガントリークレーンだ。ESRは産業遺産と位置付け、地域の記憶を継承する横浜幸浦DCのシンボルとして保存、改修した。今後は夜間にライトアップやプロジェクションマッピングでガントリークレーンを演出、優れた都市景観にすることも検討している。


保存、改修したガントリークレーン

また、ESRが基本理念として掲げる「HUMAN CENTRIC DESIGN.(⼈を中⼼に考えたデザイン)」を継承。従業員⽤の休憩ラウンジ「KLÜBB Lounge(クラブ ラウンジ)」を南側3・4階と北側4階の計3カ所に設置するとともに、各ラウンジ内に弁当や飲み物などを販売するショップ「KLÜBB Shop(クラブ ショップ)」も完備。

南ラウンジに直結するテラスはガントリークレーンに正対する2層吹き抜けの迫⼒ある屋外空間で、階段をさらに登ると、古くから⾵光明媚な場所として知られる富⼠⼭と⾦沢⼋景を望める屋上のスカイデッキ「KLÜBB Skydeck(クラブ スカイデッキ)」へつながるよう設計。冷蔵庫やワインセラーを取り付けたバーベキュースペースも設置している。

他にも託児所やパウダールーム(化粧室)、ジム・フィットネス器具を備えたコーナー、コインランドリー、シャワールームなどもそろえている。


託児所


30kgのダンベルやベンチプレスなどをそろえた本格的なトレーニングエリア


冷蔵庫やワインセラーを備えたバーベキュースペース


鏡を使い広々とした印象を持たせている北側のラウンジ


コインランドリー

機能面では、荷物の積み下ろしのためのトラックバースは各階50台分設置。全フロア1mの⾼床式倉庫でバースの奥⾏は14.5mを確保した。ドックレベラーは各階、将来対応分を含めて20基まで設置できる。敷地内には海上コンテナトレーラー対応可能エリアも含め、トラック待機場を計54台備えた。

床荷重は1階2.0t/㎡、2~4階1.5t/㎡をそれぞれ持たせ、全ての階で2.5tのフォークリフトが⾛⾏可能。梁下有効⾼は1~3階5.5m、4階5.5~6.4m、柱スパンは間⼝11m×奥⾏き11.1m、最上階の4階は柱本数が少なくワイドスパンでより使い勝⼿の良い空間を実現している。

(川本真希、藤原秀行)

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