搬送時間など抑制、「人のみ可能な作業」に振り分け想定
基礎化粧品「ドモホルンリンクル」などで知られる再春館製薬所(熊本県益城町)は5月14日、本社と工場が一体となった拠点「再春館ヒルトップ」(同町)内の発送センターに関し、自律走行型協働ロボット(AMR)とデジタルピッキングシステム(DPS)を掛け合わせた新たな自動化システムを導入したと発表した。
長年続けてきた手作業のオペレーションを刷新した。事業規模拡大を支える物流基盤の構築と、「顧客に寄り添ったサービス」の実現を図る。
ロボットの効率的な導入で作り出した時間を「丁寧な梱包や個別対応」など、人間のみが可能な作業に振り分けることを想定している。

(再春館製薬所提供)
これまで社員が行っていた資材の準備や荷物搬送などの付随業務をAMRに任せることで、社員1人当たりの1日の梱包可能時間を従来の約2倍に拡大できると想定。
受注の翌日に配送できる量が増え、顧客の利便性向上にもつなげられると見込む。
併せて、メッセージカード封入や細やかなギフト対応など、機械には代替できない「人のみが対応可能な業務」を手厚くできるとみている。
将来は「人の力を最大化させた物流体制」を活かし、自社製品に加えて、高い配送品質を求める他社製品の出荷請負などの外販を伸ばしていくことも視野に入れている。
また、今回導入するAMRは従来のベルトコンベヤーによる搬送システムと比較して電気使用量を約40%削減できる見込み。省エネを促進し、CO2排出量削減と物流の持続可能性向上につなげる。
体制変更により、当日出荷比率は現在の53%から65%と、10ポイント以上アップできると想定。DSP(集荷のデジタル化)の精度向上でミスのない確実な配送も実現できるとみている。
「再春館ヒルトップ」の発送センターは、見学通路から内部の様子が見える設計という、”開かれた工場見学”を意識した作りになっている。ロボットと人が協働する最先端の物流現場を一般公開することで、来場者に安心感と工場見学の楽しさを提供することに加え、地元熊本におけるDX先進事例として、地域の子どもたちや企業関係者らに情報提供していくことを念頭に置いている。
将来は今回構築した物流オペレーションのノウハウを活かし、同じく品質や顧客対応を重視する他社メーカーの製品出荷支援など、物流業界全体における新たな価値提供を提供することも目標としている。
(藤原秀行)












