拠点整備し事業製著の基礎に、25年1月竣工見込む
横浜冷凍(ヨコレイ)は3月6日、ベトナムで初めて冷蔵倉庫を建設すると発表した。
現地法人を3月に立ち上げるのに併せて、拠点を整備。同国で冷蔵倉庫事業を発展させるとともに、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域全体で成長を図るための礎にしたい考え。
新倉庫はロンワン省ベンルック県のフーアンタン工業団地(PAT)に開設。現地法人もPATに置く。
新倉庫は平屋建てで延床面積は1万7125㎡、収容能力は4万5317t(パレット約1万8000枚分)を計画している。竣工は2025年1月の予定。
ヨコレイグループ初の自動倉庫(自動ラック)を採用、省人化・省力化を図る。収容能力のうち、自動倉庫分のパレットが1万5000 枚以上、残りがカーゴナビゲーションシステム連動の移動ラック分となる見通し。
省エネ設備として、大容量の太陽光発電設備 880kW、冷蔵庫棟・事務所棟全館 LED 照明を採用。冷媒には自然冷媒のアンモニア/CO2 冷凍機を取り入れ、省エネ効果は従来のアンモニア冷凍機と比べ 33%減、フロン冷凍機との比較では 31%減の節電効果を想定している。
フーアンタン工業団地はホーチミン市の南西部ロンアン省に位置し、チュンルオン高速道路より約7分、ホーチミン市中心部より約 60分、ホーチミン市のコンテナターミナルのカトライ港(将来は国内航路)より約70分。ベトナム南西部メコンデルタ地区と、ホーチミン市をつなぐ物流拠点で、25年にはベンルック~ロンタン間を結ぶ高速道路が開通予定。
ベトナム国内の水産加工会社の約80%は南西部のメコンデルタ地区に存在し、今後ベトナム国内で冷凍食品の消費量が増加すると見込まれ、ベトナム国内の冷蔵庫事情は現在もタイトな状況が続いている。
ヨコレイ食品販売事業での三国間貿易におけるアジアと日本を結ぶ要衝として、ベトナムで加工した水産品の保管、販売、流通に加え、日本国内で水揚げされた輸出品の中継場所として、冷蔵倉庫事業と食品販売事業のシナジー効果も期待できるとみている。
竣工イメージと所在地(いずれもヨコレイ提供)
(藤原秀行)