工業地3.1%、7年連続プラス
国土交通省が3月22日発表した2023年1月1日時点の公示地価は、住宅、商業、工業の全用途平均(1㎡当たり)は全国で前年実績から1.6%上昇し、2年連続でプラスとなった。上昇幅も22年の0.6%から拡大した。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で21年は下落したが、その後の経済活動の再開などで再び上昇基調に転じている。
物流施設などの工業地は全国平均(調査地点1040カ所)で3.1%上がり、7年連続でプラスを記録。eコマースの成長に伴う先進的な物流施設の需要増などが追い風となり、22年実績(2.0%)から上昇の勢いが強まった。
国交省は「eコマース市場の拡大を背景に、高速道路ICや幹線道路などへのアクセスが良好で、画地規模の大きな物流施設適地は、地価上昇が拡大している」と指摘した。
工業地の平均変動率を圏域別に見ると、東京圏(226カ所)は5.0%と10年連続の上昇を記録。大阪圏(182カ所)も4.0%で8年連続上がり、名古屋圏(98カ所)は3.3%上昇して2年続けてプラスを確保した。
地方圏は、主要4市(札幌、仙台、広島、福岡の39カ所)が9.6%と大きく伸び10年連続の上昇となった。それ以外の地方都市(495カ所)も1.4%で5年続けて上昇した。いずれの地域も21年の伸び幅から拡大した。
(藤原秀行)