サプライチェーン全体対象に、普及を後押し
川崎重工は5月29日、ノルウェーのオスロに本部を置く世界最大級の第三者認証機関DNV(ノルウェー・ドイツ船級協会)と、液化水素の製造から利用に至るまでのサプライチェーン全体におけるCO2排出量の評価に向け、排出量の具体的な算定方法を協働で検討するため、覚書を締結したと発表した。
(プレスリリースより引用)
CO2などの温室効果ガスの排出量削減が世界的な重要課題となる中、利用時にCO2を出さないクリーンエネルギー「水素」に大きな注目が集まっている。エネルギー安全保障の観点からも、国際的な水素サプライチェーンを構築し、海外の資源国から大量・安価、かつ安定的に調達することが必要であると考えられている。
同時に、脱炭素に向けた水素の普及には、サプライチェーンの各過程(製造・輸送・貯蔵)で出るCO2排出量を適切に算定し、サプライチェーン全体としてCO2排出量を評価することが求められる。川崎重工はDNVとタッグを組み、液化水素サプライチェーン全体でのCO2排出量を評価するための、具体的な算定方法の確立で欧州連合(EU)など世界に先んじたい考え。
今回の液化水素サプライチェーンにおける低炭素価値の見える化の取り組みは、将来の情報開示基盤の構築につながり、水素市場の環境整備を加速させ低炭素水素の早期普及に資すると想定している。
(藤原秀行)