関西で最大級の倉庫完成、蓄積してきたノウハウ活用と強調
山九の中村公大社長は5月16日、大阪府高石市で完成した機能性化学品専用倉庫「山九関西ケミカルセンター」の開所式であいさつした。この中で、「危険物の物流に関するニーズは非常に高まっている」との見方を示し、これまで蓄積してきた経験を活用して安全な保管や輸送のサービスを提供していくことに強い決意を表明した。
中村社長
山九は既に全国7カ所で危険品倉庫を運営しており、同センターは8カ所目。延床面積1000㎡の危険物倉庫を8棟整備しており、同社としても最大規模になっている。医薬品や電子部品材料、リチウムイオン電池など幅広い貨物に照準を合わせている。
中村社長は、「原料として利用される様々な危険物の輸出入貨物の取り扱い」や「港や空港に近い倉庫での保管需要」が伸びていると解説。「長年にわたりお客様の構内での作業を中心に蓄積してきた化学品・危険品の取り扱いに関するノウハウを活かし、世の中の需要に応えてまいりたい」とアピールした。
山九関西ケミカルセンター
防爆仕様のフォークリフト
同席した山九の岩丸克之執行役員3PL事業部長(ロジスティクス・ソリューション事業本部副本部長)は、同センターは2021年度に策定した山九の「危険品倉庫戦略」で重要な位置を占める旗艦倉庫と位置付けていることに言及。「お客様からのご要望の多い温度管理に対応するため、定温倉庫機能を持つことで付加価値を上げていく」と述べ、温度管理を武器にして需要の取り込みを図っていきたいとの思いをにじませた。
併せて、「港頭地区にあり、地域戦略として関西港からの輸出入品もターゲットとすべく、危険品倉庫では非常に珍しい高床式倉庫も設置した」と強調した。
岩丸執行役員
(写真・岡山宏之、本文・藤原秀行)