年間約200t、梱包資材は約13%抑制
バンダイナムコホールディングス系で玩具や映像・音楽ソフトなどの流通・企画販売を手掛けるハピネットは6月30日、子会社のハピネット・ロジスティクスサービスが4月1日から物流拠点「ハピネット船橋ロジスティクスセンター」(千葉県船橋市)で、三井不動産が提供する「グリーン電力提供サービス」を導入し、同施設で使用する電力を全面グリーン化、実質的に再生可能エネルギー由来となる電力に切り替えたと発表した。
ハピネット船橋ロジスティクスセンターが入る物流施設外観
グリーン電力提供サービスは、三井不動産が保有・賃貸するオフィスビルなどで使用する電力を、「トラッキング付非化石証書」を使うことにより実質的に再生可能エネルギーとして提供している。
船橋ロジスティクスセンターは三井不動産が開発した「三井不動産ロジスティクスパーク(MFLP)船橋Ⅰ」の一部にテナントとして入居していることから、太陽光パネルなどの設備を自社で設置することが難しい環境下にあったが、同サービスを導入することで、実質再生可能エネルギーへの切り替えを実現した。
グリーン電力の採用により、年間使用電力約40万kWh、約200t-CO₂のCO₂排出量を削減できると見込む。
ハピネットグループはこれまで玩具などの商品を納品する際に段ボールを使用していたが、段ボールを使用した納品は、空きスペースを埋めるための緩衝材やテープなど多くの資材を消費する上、資材は1回の納品で廃棄される使い捨てだった。いかに商品の破損を防ぎながら使い捨て資材を使わずに納品できるかが課題となっていた。
そこで、2022年度より一部の取引先に対し、再利用が可能な折り畳みコンテナ(オリコン)を使った納品に切り替えている。外部からの圧迫や衝撃に強く、潰れる心配がないことから、緩衝材を使わずに商品を配送することが可能。
この結果、オリコン納品を導入した企業は使用段ボール枚数を約13.0%削減、梱包時に必要だったテープや緩衝材などの資材の使用量は約13.1%削減することに成功した。CO2の年間排出量はオリコン導入前の2021年は656.44t-CO₂だったのに対し、オリコン導入後の22年は636.74t-CO₂と、約4%の削減効果を得られた。
今後はオリコン納品を102店舗まで拡大し、CO₂年間排出量約10%削減を目指す。
一方、千葉県市川市の「ハピネット市川ロジスティクスセンター」は太陽光発電の導入を検討。機械設備を充実させている市川ロジスティクスセンターは、ハピネットの物流領域で最も多くの電力を使用する施設のため、同センターの脱炭素に向けた取り組みを大きく前進させていく予定。
(藤原秀行)※いずれもハピネット提供