コロナ禍からの経済回復が追い風
日本銀行が7月3日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を表した業種別の業況判断指数(DI)は運輸・郵便業(道路旅客・貨物運送業、水運業、倉庫業など)が大企業で前回調査(今年3月)から3ポイント上昇しプラス13だった。
中堅企業は6ポイント上昇しプラス9、中小企業も5ポイント上昇しマイナス1だった。全ての業態で前回調査から改善した。
改善したのは大企業が今年3月調査以来、2四半期ぶり。中堅企業は3年ぶりにプラスとなった昨年12月調査から2四半期続けてプラス圏を維持した。
DIはコロナ禍による経済情勢悪化で、一時はリーマンショック後の不景気に見舞われていた2009年当時の低水準まで悪化したが、その後は新規感染者数の減少で経済活動が再開されていることが追い風となり、総じて持ち直しの基調が続いている。
先行きの見方に関しては、大企業がプラス13で6月の結果から横ばい。中堅企業はプラス6で3ポイント低下、中小企業はプラス2で3ポイント上昇している。
業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いて算出。全国の運輸・郵便業など製造業、非製造業の計9147社が調査対象で、回答率は99.4%だった。
全産業ベースの業況判断DIは大企業製造業が前回調査から4ポイント上昇しプラス5。景況感が改善したのは7四半期ぶりとなった。大企業非製造業は3ポイント上昇しプラス23だった。
(藤原秀行)