公取委事務方トップの元事務総長、職員再就職あっせん規制に違反

公取委事務方トップの元事務総長、職員再就職あっせん規制に違反

内閣府の監視委が調査結果公表、在職時に大学へ情報提供

内閣府の再就職等監視委員会は8月1日、公正取引委員会の事務方トップの元事務総長が在職していた2021年当時、在職中に職員の再就職をあっせんすることを禁じた国家公務員法に違反していたとの調査結果を公表した。

監視委や公取委は名前を公表していないが、該当するのは2020~22年に公取委事務総長を務めた菅久修一氏。

監視委や公取委などによると、大学に勤務していた元公取委職員の男性から21年1月、別の公取委OBに対し、退職予定だった特定の公取委職員に、自分の後任として大学に移る意向がないかどうかを確認するよう依頼していた。

同年の2~3月ごろ、菅久氏がこの公取委職員に意向を尋ね、明確に拒否はしなかったとの聞き取り結果を公取委OBに伝えた。意向の内容は大学側にも報告があったという。その後、この公取委職員は昨年4月、大学に再就職した。

国家公務員法は、在職中の職員が民間の企業・団体に他の職員の再就職を依頼したり、職員の情報を提供したりするあっせん行為を禁止している。

公取委は「職員(元事務総長)が再就職等規制を適切に理解していなかったことが原因で生じたものと考えており、こうした違反行為が二度と起きることがないよう、全職員に対して、あらためて再就職等規制を周知・徹底する」と強調した。

菅久氏は22年7月に公取委を退職したため、違反による懲戒処分の対象にはならないが、公取委は退職時の給与4カ月分の20%に相当する約88万円を自主返納するよう求めると説明している。

(藤原秀行)

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