7万5000以上のサプライヤーと日本のバイヤーをマッチング
インターネット関連サービスを展開しているオークファンは8月14日、中国の国有持ち株企業として世界最大級の卸売市場「義烏マーケット」を運営する浙江中国小商品城集团股份有限公司と戦略的パートナーシップ契約を締結したと発表した。
浙江中国小商品城は浙江省義烏市で、1日8時間歩いて回っても1年以上かかると言われている卸売市場「義烏マーケット」を運営。7万5000社以上のサプライヤーが出店している。
一方、オークファンは日本国内で卸売展示会や卸サイトを運営しており、現在、約52万社のバイヤー(小売・卸売業者など)と連携している。
両社が自国で保有する卸売業界の膨大なプラットフォーム・会員データベースを生かし、戦略的パートナーシップ契約の下、次の3点の事業提携を推進したい考え。
1.日本国内における義烏展示場の共同設立
日本国内の展示場を拠点とし、義烏モールの良品を日本全国へ展開する。日本バイヤーは国内にいながら、各商品を直接手に取り、取引することができる。
2.オンラインプラットフォームの共同開発、運用
両社はそれぞれオンラインの仕入れ・卸プラットフォームを運営している。浙江中国小商品城の「Chinagoods」とオークファンの「NETSEA」を連携させ、Chinagoodsの中にNETSEA展示場を、NETSEAの中にChinagoods展示場をそれぞれ設置、運用する。
3.日本と中国の企業間における輸出入をサポート
オークファンが運営する価格相場検索サイト「aucfan.com」を浙江中国小商品城に展開する。日本でのあらゆる商品の価格相場を把握できるので、中国バイヤー・サプライヤーが日本企業と輸出入を行う際に役立つと見込む。
オークファンは日本国内の卸売市場活性化に向け、海外展開を模索してきた。そのためには、海外のサプライヤーとの豊富なネットワークが必要とみており、浙江中国小商品城も同様に、義烏マーケットを中国国内にとどまらず海外へ展開することで流通を一層拡大させることを目指しており、パートナーとなり得る海外企業を探していた。
両社の思惑が一致、戦略的パートナーシップ契約の締結に踏み切った。
現在、日本の商品の多くは、義烏マーケットに所属する中国メーカーやOEM(相手先ブランドによる製造)受託企業によって作られている。日本のバイヤー(小売・卸売業者など)が中国企業から商品を仕入れる際は、個々でアプローチをかける必要があった。 しかし、義烏マーケットとのネットワークが少ない企業にとって、所属する7万5000以上の中国企業の中から、求めるクオリティやコストにマッチするパートナーを見つけ出すのは容易ではなかった。
戦略的パートナーシップ契約締結により、浙江中国小商品城が持つ中国サプライヤーのデータベースと、オークファンが持つ日本バイヤーのデータベースを掛け合わせ、最適なマッチングを生み出すことが可能になるとみている。
オークファンは今後、中国側のサプライヤーと日本バイヤーのマッチングの場を、オンライン・オフラインを問わず数多く提供することで、日本バイヤーの中国商品開発やOEM製造を支援する。
浙江中国小商品城 副総経理・杨暘氏からのメッセージ
(藤原秀行)※いずれもオークファン提供