アスクルとbooost technologies、自社ECサプライチェーン全体のCO2排出量削減促進

アスクルとbooost technologies、自社ECサプライチェーン全体のCO2排出量削減促進

見える化ツール活用、PB商品の算定から開始

アスクルと温室効果ガス排出量算出システムなどを手掛けるbooost technologies(東京都品川区大崎、ブーストテクノロジーズ)は8月31日、アスクルが運営するEC事業におけるサプライチェーン全体のCO2排出量削減に向け、CO2排出量算定ツールを活用したScope3(サプライチェーン全体の排出分)削減への取り組みを共同で本格的に始めると発表した。

アスクルのCO2排出量は全体の99%がScope3に該当し、その中でも仕入れ商品によるものが75%と大部分を占めている。そのため、商品のCO2排出量に注目し、まずはアスクル事業で取り扱うPB(プライベートブランド)商品のCO2排出量算定から開始することにした。

商品のCO2排出量を見える化することにより、アスクルとサプライヤーが各商品のCO2排出量の削減に向けた具体的な検討に踏み込むことを後押しするとともに、顧客が環境配慮商品を選定する際のサポートになると見込む。

効率的かつ正確なCO2排出量の算定を行うためにbooost technologies提供のサプライチェーンCO2排出量見える化ツール「booost Supplier」を導入。サプライヤーから収集したデータを活用する。

アスクルは2016年に「2030年CO2ゼロチャレンジ」を宣言し、原材料調達から顧客への商品配送までサプライチェーン全体で脱炭素を実現する具体的な方策を推進している。昨年10月には「アスクル商品環境基準」を策定し、商品ごとの環境配慮レベルを独自にスコア化して商品ページへ掲載する取り組みを開始。今年2月には環境スコアに加え、葉のイラストを使用したビジュアル表示を追加し、商品の環境配慮度合いを確認して商品比較をしやすい売り場へ進化させるよう努めている。

より踏み込み、アスクルのサプライチェーン全体のCO2排出量削減へ商品ごとのCO2排出量算定を本格的に始める。

商品のCO2排出量の算定に際し、アスクル側はサプライヤーへの回答依頼や収集・確認作業の煩雑さがあり、サプライヤー側は算定の手間やコストなどの課題を抱えていた。

そのため、booost technologiesが提供するサプライチェーンCO2見える化ツール「booost Supplier」の導入に至った。「booost Supplier」は各サプライヤーにアカウントを付与し、アスクルに納入された商品を構成する材料や加工(製造)の活動量登録と排出原単位選択を行うことで、商品ごとのCO2が算定できる仕組み。

サプライチェーンの各工程のデータを細かく収集できるのに加え、サプライヤーへの回答依頼、回答の入力作業、確認、分析がしやすく、効率的にCO2排出量を算定することができると見込む。サプライヤーから収集したデータはbooost GX上でサプライヤー全体のCO2排出量として確認することができ、CO2排出量削減に向けた改善につながると強調している。

今後は、2023年9月からパイロットサプライヤー10社に向けて「booost Supplier」の導入説明会ツールへの入力を開始。順次他のサプライヤーにも展開していきたい考え。

(藤原秀行)※いずれもアスクルとbooost technologies提供

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