先行きはやや悪化、燃油代高騰など影響か
日本銀行が10月2日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を表した業種別の業況判断指数(DI)は運輸・郵便業(道路旅客・貨物運送業、水運業、倉庫業など)が大企業で前回調査(今年6月)から1ポイント上昇しプラス14だった。
中堅企業は1ポイント低下しプラス8、中小企業はマイナス1で変わらなかった。
大企業の景況感が改善したのは2四半期連続。
DIはコロナ禍による経済情勢悪化で、一時はリーマンショック後の不景気に見舞われていた2009年当時の低水準まで悪化したが、その後は新規感染者数の減少で経済活動が再開されていることが追い風となり、総じて持ち直しの基調が続いている。ただ、9月に関してはおおむね前回調査から横ばい圏だった。
先行きの見方に関しては、大企業がプラス17で9月の結果から3ポイント上昇している。半面、中堅企業はプラス4で4ポイント低下、中小企業はマイナス1で1ポイント低下している。燃油代の高騰などが景況感の重しになっている可能性がある。
業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いて算出。全国の運輸・郵便業など製造業、非製造業の計9111社が調査対象で、回答率は99.4%だった。
全産業ベースの業況判断DIは大企業製造業が前回調査から4ポイント上昇しプラス9。景況感が改善したのは2四半期連続となった。大企業非製造業も3ポイント上昇しプラス27に達した。
(藤原秀行)