空港地上支援業務、航空機誘導など「ランプハンドリング」従業員はコロナ前の5%減

空港地上支援業務、航空機誘導など「ランプハンドリング」従業員はコロナ前の5%減

国交省が官民検討会で説明、旅客部分も1割強

国土交通省は10月5日に開催した「持続的な発展に向けた空港業務のあり方検討会」で、航空機の誘導など空港の地上支援業務(グランドハンドリング・保安検査)の現状を報告した。

同業務を手掛ける主要61社の従業員数は今年9月時点で、国内全空港で地上旅客係員による旅客業務ハンドリング(カウンダ―業務など)が約1万2100人で新型コロナウイルス感染拡大前の2019年3月時点(約1万4100人)から1割強減っていることが分かった。

今年4月時点の約1万1500人からはやや戻しているものの、完全にコロナ前の水準まで回復していない。

航空機の誘導など「ランプハンドリング」は今年9月時点で約1万1600人と、19年3月時点の約1万2200人から5%程度減っている。

国交省によると、都市部より地方部の空港で回復のペースが早い傾向が見られるという。

海外からの観光客増加などでグランドハンドリング業務の重要性が増しているが、足元では十分人材を確保できていないことが示された。航空貨物の安定輸送にも支障をきたしかねない事態だけに、新たに発足した業界団体「空港グランドハンドリング協会」が軸となり、業界の情報発信や働きやすい環境の整備を早急に図る必要がある。

国交省は採用と離職の状況も公表しており、旅客ハンドリングは今年4~8月の採用が都市部はトータルで1575人なのに対し、離職が888人。ランプハンドリングは採用が892人に対して離職が331人だった。

地方部は旅客ハンドリングが664人の採用に対して離職は307人、ランプハンドリングは採用が488人に対して離職が234人となった。国交省は「多忙などを理由に一定数の退職者が生じている」と説明。旅客ハンドリング、ランプハンドリングのいずれも毎月、一定数の離職者が続いている。

保安検査員に関しては、全空港で今年9月は約6100人となり、コロナ前から18%減少している。


(いずれも国交省資料より引用)

(藤原秀行)

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