輸送力不足対応「1年で決着付く話ではない」
SGホールディングス(HD)の川中子勝浩取締役は10月27日に開催した2023年9月中間連結決算の電話会見で、24年度に2年連続で宅配の個人向け基本運賃を値上げする方針を決めたことに関連し、今後も人件費や燃料費の上昇などの状況を見ながら運賃改定を検討していく姿勢を示した。
川中子取締役は値上げの背景として、エネルギーや施設、車両、労働など多様なコストが上昇していることに加え、物流業界で2030年に向けて輸送力不足が懸念されているのに対応する必要がある点を説明。「30年に向けた対応は1年で決着が付くような話ではないと考えている。今後、都度都度(値上げを)考えていかないといけないだろうという問題意識だ」と強調した。
また、23年度に平均で3%前後の賃上げを実施したことを明らかにした上で、「優秀な人材を確保するのは非常に経営上、重要な事項と認識している」と語り、24年度も検討する意向を見せた。
宅配荷物の取扱量に減少傾向が出ていることに関しては「昨年の秋口から前年対比を割り込む傾向が出てきている。インフレの状況で購買活動が少し控えめになっている影響があると思う」と分析。同時に、「前年からさらに大きく減っていく状況ではないのではないかとみている」と述べた。
(藤原秀行)