温室効果ガス排出効果より高く、コストも低減期待
商船三井は11月1日、グループの商船三井内航が運航する499総トン型内航貨物船「第一鐵運丸(船主:鐵運汽船)」で廃食油を直接重油に混合したバイオ燃料を用いた運航に成功したと発表した。
「第一鐵運丸 499総トン」
今回使用したバイオ燃料は、国内の植物油脂由来の廃食油を、舶用燃料用に直接重油と混合した燃料で、温室効果ガス排出効果がさらに高まるとみられており、舶用燃料としての使用は国内初の取り組みという。
国土交通省による、船舶におけるバイオ燃料の利用に関する調査事業の一環として、阪和興業から中京地区で本船に供給し、本船貨物の荷主の東京製鐵の協力も得て、三河湾・東京湾間で約1カ月の間使用し、燃焼性などに問題がないことを確認した。
これまでのバイオ燃料の原料は、廃食油とメタノールを化学処理して生成するFAME(Fatty Acid Methyl Ester、脂肪酸メチルエステル)を主原料としている。今回は一度食用油として使用した後の廃食油をほとんどそのままの形のStrait Vegetable Oil(粗植物油、SVO)で、A重油と混合(混合率24%)させ、内航船の汎用船型の499総トン型船で使用した。
SVOはメチルエステル化処理や水素化処理を行わないため、他のバイオ燃料に比べてより一層のCO2削減効果と、より低コストでの供給が期待できるという。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用