JLL調査、地価や建築コスト上昇で今後も上昇基調と展望
JLL(ジョーンズ ラング ラサール)が11月9日公表した2023年第3四半期(7~9月)の東京圏における大型物流施設市場動向の調査結果によると、賃貸施設の期末平均空室率は7.6%で、前期(4~6月)から0.3ポイント上昇した。前年同期比では2.6ポイント上がった。
東京ベイエリアの空室率は8.9%で、前期比1.7ポイント上昇。内陸エリアは7.1%で前期から0.3ポイント低下した。
東京圏全体としては、前期は6四半期ぶりに空室率が下がったが、大量の新規供給が続いたことなどから、7~9月は小幅ながら再び上昇に転じた。
ネットアブゾープション(吸収需要)は40万5000㎡で、1~9月の累計では182万㎡に及んだ。需要自体は旺盛なようだ。
第3四半期の新規供給は5棟・50万4000㎡で、ストック(総賃貸可能面積)は前期比3%、前年同期比19%それぞれ拡大した。
(JLL資料より引用)
第3四半期末時点の東京圏の賃料は月額坪当たり4579円で、前期から0.8%アップを記録。前年同期比でも1.0%上昇した。ベイエリアは新規に完成した案件の賃料が高水準だったため、前期比2.1%アップ。一方、内陸エリアは横ばいだった。
JLLは今後の⾒通しに関し「供給の増加により空室率が高止まりしているが、2024年以降供給が減少する見込みであり将来的な空室率低下が予想される」と展望。
「賃料の低いサブマーケットでの新規供給による賃料下押し圧力があるものの、土地価格や建築コストの高騰による賃料上昇圧力がそれを上回ると予測され、平均賃料は上昇する見通し」との見方を示した。
(藤原秀行)