JLL調査、賃料は横ばい
JLL(ジョーンズ ラング ラサール)が11月9日公表した関西圏の大規模な賃貸物流施設市場に関する調査結果によると、2023年第3四半期(7~9月)の期末時点の空室率は3.5%で、前期(4~6月)から0.5ポイント上昇した。前年同期比でも1.6ポイント上がった。
ベイエリアは1.9ポイント上がって2.74%、内陸エリアは1.3ポイント下がって4.4%だった。関西圏全体の空室率は今年に入って小幅ながら上昇基調が続いている。
新規供給は1棟・7万7000㎡で、総賃貸可能面積は前期比1.3%増の609万1000㎡に達した。
ネットアブゾープション(吸収需要)はプラス4万7600㎡で、堅調な需要が継続している。
期末時点の坪当たり月額賃料は4071円で、前期比、前年同期比ともにほぼ横ばいだった。
JLLは「新築物件の賃料が全体の賃料を押し上げる状況は続いているが、賃料の低いエリアでの供給が続いており平均すると横ばいとなった。既存物件も賃料は上昇しているが、稼働率を重視して緩やかな上昇となっている」と指摘した。
今後については「ベイエリアおよび内陸エリアで新規供給が増えるため、空室の増加傾向 が続くと見込まれる。大阪圏全体では空室率は5%程度に上昇すると見込んでいるが、 好立地の物件はリーシングが進んでおり、 竣工時の満床が予想される」と展望。
「土地価格や建築コストの高騰によって新規供給物件は賃料上昇が続くと予想される。周辺の既存物件も新規物件にけん引され緩やかな賃料上昇が見込まれる」と予測した。
調査対象は近畿2府4県で2000年以降に竣工した延べ床面積5万㎡以上の賃貸物流施設。
(JLLプレスリリースより引用)
(藤原秀行)