買い物代行とフードデリバリーを順次開始。共同配送も視野に
徳島県佐那河内村とセイノーホールディングス(HD)、エアロネクスト、同社子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERYの4者は11月14日、同村の寺谷地区で、ドローンと陸送を組み合わせ、地方エリアでも物流ネットワークを維持する新スマート物流「SkyHub(スカイハブ)」のサービスを11月11日に開始したと発表した。
住民向けに買い物を代行する「SkyHub Delivery(スカイハブデリバリー)」を展開。その後、料理を運ぶ「SkyHub Eats(スカイハブイーツ)」も2023年中をめどに始める。
SkyHubの商品一時保管と配送の拠点「ドローンデポ」は同村多目的地域交流施設内に構え、今後は各運送会社と連携した共同配送の開始も目指す。
SkyHubはセイノーHDとエアロネクストが全国で推進している。佐那河内村は、山梨県小菅村、北海道上士幌町、福井県敦賀市、茨城県境町、千葉県勝浦市、和歌山県日高川町、石川県小松市に続き、社会実装フェーズに入った自治体としては全国で8カ所目。
現地で撮影に応じる(右から)エアロネクストCEO(最高経営責任者)とNEXT DELIVERY代表取締役を務める田路圭輔氏、佐那河内村・岩城福治村長、セイノーHD・事業推進部ラストワンマイル推進チーム新スマート物流推進プロジェクト 和田悟課長
荷物を載せた物流専用ドローン「AirTruck(エアトラック)」 (佐那河内村多目的地域交流施設駐車場)
ドローン配送された荷物を受け取る住民の一條和夫さん (寺谷農村公園)
サービスのための配送手段は軽バンとドローンで、ドローン配送は主にエアロネクストがACSLと共同開発した物流専用ドローン「AirTruck(エアトラック)」を用いる。
令和5年度(2023年度)デジタル田園都市国家構想推進交付金(デジタル実装Type1)「ドローンを活用した新スマート物流実装事業」として採択されている。
地域の商店と連携した買物代行サービス(SkyHub Delivery)
SkyHubアプリで買物した地域の商店やスーパーなどの商品が、希望日時に個宅へ届く。村内のあるコンビニエンスストアと地元商店の約90アイテムの食料品、日用品から商品を選び、希望時間を選択して注文できる。料金は配送料300円(税込み)とサービス料(商品代金合計の10%)。当面は正午までの注文を当日中に配達する。
フードデリバリーサービス(SkyHub Eats)
提携飲食店のフードをドローン便かクルマ便のいずれかで届ける。料金は配送料300円(税込み)を想定している。
ドローン配送は2023年度内に90日以上の運航と「レベル3」飛行(無人地帯上空でドローンが目視外飛行)のドローン配送を12月以降、開始することを目指している。
日本発物流専用ドローン「AirTruck」
今回ドローン配送したお菓子やお茶、日用品(いずれもセイノーHDとエアロネクスト提供)
(藤原秀行)