自動車走行・電力のデータなど活用、来春の提供開始目指す
パイオニアと国際航業、GDBLの3社は11月15日、地方自治体向けの「地域CO2排出量可視化&再エネ導入経済効果試算ソリューション」を共同開発すると発表した。
多店舗・多拠点展開する大手事業者や脱炭素を支援する地域の金融機関やエネルギー事業者の需要にも期待している。
パイオニアのクラウドプラットフォーム「Piomatix for Green(パイオマティクス・フォー・グリーン)」を活用した車の運転に伴う高精度なCO2排出量可視化技術と、GDBLが提供する電力スマートデータを活用した地方自治体向けの地域CO2排出量可視化サービス「ZeroCa(ゼロカ)」、国際航業の太陽光・蓄電池・EV(電気自動車)・V2H(高速充電システム)の経済効果シミュレーター「エネがえる」を組み合わせ、新ソリューション「エコがえる」として2024年春に国際航業から提供を開始する予定。
3社の協業イメージ(各社提供)
各自治体は「CO2 排出量の多い重点対策エリア(ホットスポット)の把握が難しく、施策の優先順位を付けられない」「重要な削減策の一つである“屋根上自家消費型太陽光発電や蓄電池およびEVの普及”を推進させる方法が分からない」といった課題を抱えているのに対応する。
簡単かつスピーディーに地域全体のCO2排出量(家庭内/車移動)を可視化するのに加え、削減施策実施による効果検証、地域事業者を巻き込んだ自家消費型太陽光発電・蓄電池・EV・V2H などの導入を推進する仕組みを構築する予定。
3社は今回の協業を通じ、各社の技術やサービスを組み合わせ、「地域単位のCO2排出量可視化→削減策としての太陽光発電・蓄電池・EV等の導入支援→削減策による効果検証」という一連のワンストップソリューションとして提供していく考え。
将来はAPI連携によるプロダクトや、データの自動連携で環境価値と経済効果をセットで把握できるツール、地域単位でのEV充電スポット需要予測サービスなど、地方自治体や地域金融機関、事業者がステークホルダーとともに“より簡単に、素早く、楽しく”カーボンニュートラルを推進できるソリューションやサービスを生み出していきたい考え。
(藤原秀行)