取り扱い容易で既存システムへの影響もない点など評価
商船三井とボイラー大手の三浦工業は11月21日、共同開発を進めてきたマイクロプラスチック回収装置に関し、商船三井が運航する自動車船「EMERALD ACE(エメラルド エース)」に搭載した同装置「HQ」が、一般財団法人日本海事協会(ClassNK)から革新的な取り組みを評価する「Innovation Endorsement(イノベーション・エンドースメント)認証」を取得したと発表した。
同認証は日本海事協会の「第三者認証・評価・格付」に基づく、新しい価値創出に向けた認証機関としての取り組みで、「船舶」「製品・ソリューション」「プロバイダー」の3つのカテゴリーに分類。
日本海事協会は、HQは常時海水を処理することや取り扱いが容易なこと、閉塞する構造がなく既存システムへの影響がないことを評価し、革新的な機能を有する機器やソフトウェアなどが対象となる「製品・ソリューション」のカテゴリーで認証を付与した。
HQは2022年6月、試験的に同船へ搭載し機能実証を進めてきた。機能の安定性が認められ、回収能力も効果が確認できたため商用化が実現、今年7月に三浦工業が販売を開始した。
商船三井はマイクロプラスチックを回収するのに加え、昨今、海中のマイクロプラスチック浮遊量データが動静調査や、各分野で実施されている削減活動の効果測定に活用できるため、同データの需要が研究機関の間で高まっており、今後は本装置が回収したマイクロプラスチックの成分・量・場所・時期といったデータを提供することで同研究分野に活用していく考え。
HQの本船設置フローイメージ図
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用