「2024年問題」への対応など強化狙い
自動車関連企業の業界団体、日本自動車工業会(自工会)は11月22日の理事会で、2024年に任期満了を迎える豊田章男会長(トヨタ自動車会長、67)の後任となる次期会長にいすゞ自動車の片山正則会長CEO(最高経営責任者、69)が就く人事を決めた。片山氏は現在、自工会副会長を務めている。
自工会のトップは1967年の発足以降、トヨタと日産自動車、ホンダから交代で選出してきており、商用車を中心とするメーカー幹部が就くのは初めて。
トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」や商用車の電動化など山積する課題への対応を強化する。
片山氏(いすゞ自動車ホームページより引用)
自工会が同日の理事会後に開催した記者会見で、片山氏は「重責に身の引き締まる思いだ。商用車メーカーの私が会長になること自体、自工会の変革が進んできたということの表れだと思う。皆さんがバックアップしていただけることで会長を務められると思い、お引き受けした」と説明。
2024年問題への対応について「非常に多岐にわたる対策が必要になる 今から非常に物流の大きな問題、特にドライバーさんの不足の問題が起きてくるので、しっかりと取り組んでいく必要がある」と強調した。
今後進める施策として、トラックの走行履歴など物流のデータ活用や自動運転の実現促進、女性ら多様な人材がトラックドライバーとして働きやすい環境の整備を挙げた。
豊田会長は「喫緊の課題である物流・商流領域に全員で取り組むことが未来への重要な一歩になるとの認識の下、大型車の世界で豊富な経験を持つ片山さんに(次期会長を)お願いしたいということになった」とエールを送った。
会見で
(藤原秀行)