清掃ロボットの提供開始へ、コスト抑制図る
通信工事大手のミライト・ワンは12月1日、各種施設向けサービスロボットを開発・販売するエイム・テクノロジーズ(東京都港区虎ノ門)と、エレベーターロボット事業で、業務提携したと発表した。
国内で初めて、汎用エレベーターと連携した清掃ロボットの提供を開始する。
ミライト・ワングループは深刻化する人手不足への対応として、ロボット事業を強化。AI搭載のコミュニケーションロボットを観光や介護、飲食といった業界へ提供している。
併せて、働き方を改革するロボットの提供も検討・計画してきた。
エイム・テクノロジーズはロボットとエレベーターを連携させることを強みとしており、提携することでミライト・ワンが取り扱っている、汎用エレベーターを自動乗降する中国Gausium(ガウシアンロボティクス)製清掃ロボット「Phantas」をはじめ、配送ロボット、配膳ロボットを国内で積極的に提供していく構え。
商業施設、飲食施設、オフィスビルで清掃ロボットや配送ロボット、配膳ロボットなどの採用が進んでいる一方、国内のエレベーターの多くはロボットとの通信接続ができない旧型のため、ロボットと連携させるには多額の費用と期間を要しているのが課題だった。
エイム・テクノロジーズは「通信機能付きエレベーターアダプタ」を用いることで、新型と旧型を問わず、汎用エレベーターとロボットを低価格かつ短期間で連携させ、ロボットがエレベーターを自動乗降し、ビル内を広範囲に活動できるようにした。
ミライト・ワンが提供する清掃ロボット「Phantas」は、壁直前(0cm)までの清掃が可能。市場に流通している清掃ロボットの多くは、壁までの距離が10cm程度までの清掃が一般的で、壁直前までには行き届いていなかったため、より隅々まで清掃できるようになると見込む。
「Phantas」は水拭きにも対応しており、吸引音や動作音が65dB以下と低騒音で障害物も回避。床の材質を自動で判断し、ブラシを調節する機能も搭載している。
世界でトップシェアを誇る「Phantas」と汎用エレベーター連携機能を組み合わせることで、フロアごとのロボットの設置を不要にして台数を適正化するとともに、人力による掃除箇所を最小化し、清掃に関わるコストを大幅に削減できると想定。汎用エレベーター連携ロボットシリーズとして配送ロボットや配膳ロボットも同時に提供を開始する。
ビル内でのロボット活用による人手不足解消を強力にサポートし、製品提供にとどまらず、設置から保守に至るまでワンストップで提供する。
エレベーター連携ロボットの概要
名称 | 清掃ロボット Phantas |
製造 | Gausium社製(中国) |
開発 | エレベーター連携機能 エイム・テクノロジーズ |
仕様 | ・高性能な自律走行機能 ・4つの床面清掃モードを搭載 ・壁際0cmまで清掃可能 ・65dB以下の清掃音・障害物は検知し回避 ・エレベーター連携可能 |
名称 | 大型配膳ロボット(AYUMI) |
開発 | エイム・テクノロジーズ |
仕様 | ・付け位置可変ラックを搭載 ・ロック型プラスチック扉完備 ・背面サイネージにより販促活動が可能 ・エレベーター連携可能 ・セキュリティドア対応 |
名称 | 配送ロボット(NAOMI-2) |
開発 | エイム・テクノロジーズ |
仕様 | ・自動開閉式ボックス付き ・ロック付帯ボックスの為、安心 ・ロボット背面にはサイネージが搭載 ・同時に複数個所の配送可能 ・エレベーター連携可能 ・セキュリティドア対応 |
(藤原秀行)※いずれもミライト・ワン提供