安全性など総合検証、温室効果ガス排出削減目標達成図る
日本郵船は12月21日、2024年度からCO2排出量が実質ゼロとみなされるバイオ燃料を、既存の重油焚き船舶の航行で長期的に使用するトライアルを本格実施すると発表した。
これまでの短期間のトライアルから対応をさらに進め、バイオ燃料を長期間使用した際の安全性や安定調達などの総合的な検証まで踏み込む。将来はバイオ燃料による安全航行を確立し、バイオ燃料の開発促進にも貢献。
今年11月に発表した「NYKグループESGストーリー2023」の中で、新たに設定した30年度までに21年度比で温室効果ガス排出量を45%削減する自社グループの目標達成を図る。
21年にバイオ燃料の短期間トライアルを行ったばら積み船「FRONTIER JACARANDA」(プレスリリースより引用)
本トライアルはバイオ燃料を3カ月間、複数の船種で継続使用する。その後、バイオ燃料の使用期間を段階的に延ばし、さらに長期間にわたる検証に移行する計画。
同社グループは19年度以降、約10隻で短期間のバイオ燃料による試験航行を実施。安全性を確認できた一方で、船舶の主機関・発電機・原動機・燃料供給システムなどへの影響や、バイオ燃料を一定期間保管した場合の品質などの検証が課題となっていた。
また、より多くの船舶でバイオ燃料を使用する場合の燃料調達の安定性も検証を迫られていたため、対応を強化する。
(藤原秀行)