KDDIグループのソラコムと連携、カメラでメーター値を自動読み取り
シャープ子会社でAIやIoTを生かしたサービスなどを手掛けるAIoTクラウド（東京都江東区豊洲）は1月29日、KDDIグループで同じくIoTサービスなどを展開しているソラコム（東京都港区元赤坂）と連携し、工場設備の遠隔監視が可能な「WIZIoT（ウィジオ）遠隔監視サービス」を2月1日に開始すると発表した。
カメラで各種設備のメーターを撮影し、AIで値を自動的に読み取り、データを収集。人による巡回点検業務を効率化する。収集したデータはクラウドで管理し、CVS形式で抽出して報告書に活用することも可能。
製造業の人手不足に対応するとともに、目視による読み取りミスや手書きの際の記録間違いといったヒューマンエラーを回避、点検の精度をより高められるようにするのが狙い。
固定カメラに加え、点検専用アプリをインストールしたスマートフォンで撮影することもできる。高所や暗い場所などは固定カメラを設け、それ以外の設備は人が巡回しスマホのカメラでメーターを撮影、記録するといったように、工場の現状に合わせて柔軟にサービスの提供内容を変更できるのが強み。
メーターは円型のアナログなものから回転式、LEDのデジタル表示など様々なものに対応できるようになっている。数値の読み取り制度は90％以上という。
固定カメラは1辺5cmで完全防水・防塵対応のソラコム製小型ネットワークカメラを利用。専門知識がなくても初期設定や操作を容易に済ませられるよう配慮している。
点検するのが20カ所で1日3回、2人1組で点検していると想定した場合、ソラカメ（巡回不要）とスマホのカメラ（1人担当）で10カ所ずつカバーした場合、点検に要する時間を従来比で月当たり約140時間 コストは年間で約350万円削減できると推計している。AIoTクラウドは巡回監視サービスで2027年度に売上高50億円を目指す。
将来はセンサーなどを使って工場内で監視できる範囲を広げたり、リアルタイムでメーター類をチェックして取得したデータを分析、予防保全に活用できるようにしたりすることも検討するほか、物流など他の領域への応用も視野に入れている。低温物流でトラック輸送時の温度管理などに使う可能性を念頭に置いているようだ。
サービスの初期費用は1契約当たり3万円で、固定カメラは1台につき月額使用料2300円などが必要。スマホカメラはメーター1個当たり月額600円。いずれも1日の読み取り回数は12回が上限と設定している。
（藤原秀行）※いずれもプレスリリースより引用
