標準化や品質管理体制の強化も実現
工場や店舗などの現場作業効率化とペーパーレス化をノーコードで実現できるソフトウエア「カミナシ」を展開しているスタートアップのカミナシは3月28日、中央技建工業(大阪府豊中市)がカミナシを導入、年間50日分の業務時間効率化につながったと発表した。
中央技建工業の工場でカミナシを利用して業務を行っている様子(カミナシ提供)
中央技建工業は大阪府の本社に加え、京都府亀岡市に4つの工場を保有し、「コータードライヤー」「テンターオーブン」といった熱と風を使用した産業機械の設計から製造、梱包、販売までを一貫して行っている。
カミナシによって、製品の品質検査や日々の安全な作業を維持するための作業用工具の月次点検、製品の社内検収や日報、安全パトロールの記録など、約30種類の紙帳票のデジタル化に成功。その結果、これまで検査表などの作成に60分掛かっていた業務時間を約20分削減し、年間では50日分の業務時間を効率化できたという。
また、カミナシ導入前は製品の品質検査を紙帳票で行っており、品質の良し悪しの基準が人によって異なるため製品の品質にばらつきが生じてしまう課題があった。カミナシ活用で帳票上に品質基準を画像で示すことや、記録者が撮影した検査箇所の写真を分析し効果的な対応策を即座に講じることが可能になり、業務標準化や品質管理体制の強化を達成しているという。
さらに、これまで製造で使用する設備や機器は故障が起きてから対応することが多かったところ、チェック・記録の実施頻度を設定しアラートを発信するカミナシの機能を活用し、月次点検の実施を定着させることで、設備や機器の不具合の早期に発見できるようになった。
併せて、安全に業務を行うための社内ルールを変更した際、カミナシで安全パトロールを実施し、ルール遵守が徹底されているかどうかを確認・記録する仕組みづくりを進めており、従業員全員の安全に対する意識改善も実現しているという。
今後は、海外の顧客に製品を納入した際に行っている据付けや試運転時の点検・検査にもカミナシを活用していきたい考え。
(藤原秀行)