ロジスティード、アルプス物流買収を正式発表★続報

ロジスティード、アルプス物流買収を正式発表★続報

8月中旬めどTOB開始へ、3PLの事業基盤強化など図る

米投資ファンドKKR傘下のロジスティードは5月9日、アルプスアルパイン系のアルプス物流を買収する方針を正式発表した。

グループ企業が8月中旬をめどに、アルプス物流に対してTOB(株式公開買い付け)を開始するなどして、最終的に議決権ベースで同社株式の80%取得を目指す。

ロジスティードは電子部品に強く、アジアなどの国際物流に注力しているアルプス物流を子会社化し、3PLの事業基盤強化などを図る。買収後もアルプスアルパインはアルプス物流株式の20%を保有し続ける予定。

アルプス物流は同日、TOBに賛同を表明、既存株主に応募を推奨する方針を開示した。また、ロジスティードとアルプスアルパイン、アルプス物流の3社は資本・業務提携契約を締結することで合意した。

TOBは1株当たり5774円で、同日の終値に3割程度のプレミアム(価値上乗せ)を加えている。

ロジスティードはTOBで、まずアルプスアルパイン以外の株主から株式を譲り受け、東京証券取引所プライム市場に上場しているアルプス物流の株式を非公開化。その後、アルプスアルパインから自己株式を取得するなどして、アルプス物流の株主をロジスティードとアルプスアルパインの2社のみにする。

アルプス物流は東証上場が廃止となる見込み。

KKRは2023年、当時の日立物流を買収、ロジスティードに社名変更した。ロジスティードは海外展開の拡大などを図っており、新たにアルプス物流をグループに取り込み、多様な荷物を取り扱えるようにして事業の成長を持続、将来の株式再上場につなげていくことを想定している。

ロジスティードの2023年3月期の連結営業収益(売上高に相当)は8143億円、アルプス物流の連結売上高は1211億円だった。買収が成立すると、ロジスティードの連結営業収益は単純合算で9000億円を超え、2030年までが対象の中長期ビジョンで打ち出している目標の1兆5000億円達成に近づく。

アルプスアルパインは主力のスマートフォンやカメラ向け電子部品が競争激化で採算が悪化していることなどから、中核以外の事業を切り離し、収益の立て直しを急ぐ。

(藤原秀行)

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