Shippio主催、DX先進事例も報告
Shippioは今日（5月23日）、東京都港区港南の「品川インターシティ」で、「2024年問題」や人手不足など物流が抱える課題解決に向けDXを促進するため、有識者らが具体策を議論する独自イベント「Logistics DX SUMMIT 2024～インダストリアルトランスフォーメーションへの道～」を午後1時から開催する。
物流業界の内外からリーダーらが集い、DXをいかに物流現場で進化させていくかなどについて意見交換、情報発信する。Shippioが「Logistics DX SUMMIT（LDS）」を開くのは昨年3月以来、2回目となる。
同社の佐藤孝徳CEO（最高執行責任者）は、スイスの著名な非営利財団「世界経済フォーラム」がスイスの美しい保養地ダボスで非常に影響力が大きい世界各国の政財界リーダーや学識経験者を集めて開く年次総会になぞらえて、LDSを物流業界版のダボス会議（賢人会議）にしたいと意気込んでいる。
第1回と同じく、多彩なメンバーが登壇、さまざまな切り口で現状からの変革を提案する予定だ。
（Shippio提供）
いかにDXでサプライチェーン強靭化・効率化を図るか
オープニングは経済産業副大臣兼内閣府副大臣の岩田和親氏が登場。佐藤CEOがホストとなり、政府が進める2024年問題対応の狙いなどを紹介する。
続いて基調講演は東京大学未来ビジョン研究センター客員教授で、経営共創基盤のシニア・エグゼクティブ・フェローも務める西山圭太氏が務める。「DXは産業とサプライチェーンをどう変えるのか」をテーマに、いかにDXでサプライチェーンの強靭化・効率化を果たしていくべきかを議論する見通し。
注目のセッション「サプライチェーンの革新を担う、CSCO/CLOのあり方」は、政府が2024年問題対策の要の1つに位置付けている「CLO（最高ロジスティクス責任者）」には具体的に何が求められるのか、どんな人材が必要なのかについて意見を交わす。
丸井グループ元副社長執行役員の佐藤元彦氏、日清食品常務取締役サプライチェーン本部長兼 Well-being推進部長の深井雅裕氏、YKK AP執行役員CLO兼ロジスティクス部長の岩﨑 稔氏、野村総合研究所未来創発センター シニアチーフストラテジストの藤野直明氏が出席する。
「大企業とスタートアップの協業・M&Aが起こす業界再編」がテーマのセッションは、ハコベル社長CEOの狭間健志氏、M&A仲介のストライク社長・荒井邦彦氏が参加。佐藤CEOが進行役となり、大企業とスタートアップが組むことでさまざまな革新につながるという利点と、円滑に連携する上で乗り超えていくべき課題について言及する。
「GXとカーボンニュートラル実現への政府と産業界のシナジー」のセッションは、政府が注目する、脱炭素に向けた取り組みを推し進めて経済成長と社会変革を実現するGX（グリーントランスフォーメーション）の狙いを、政府の最前線で政策立案を担っている経済産業省産業技術環境局環境政策課長の大貫繁樹氏が解説。進行役はアナウンサーの田中泉氏が担う。
刺激的なタイトル「儲かる物流DXの先進事例」も注目のセッションだ。Ocean Network Express（ONE）Digital Yield Management、Senior Vice Presidentの道田賢一氏、三菱食品取締役常務執行役員SCM統括の田村幸士氏、SAPジャパンコーポレート・トランスフォーメーション ディレクターの村田聡一郎氏が結集。進行役はローランド・ベルガー パートナーの小野塚征志氏だ。
ONE発足以来、海運事業のDXを担ってきた道田氏は、自身の経験から「テクノロジー活用が変動の大きい海運事業の付加価値を大きく高めることにつながる」と説明。三菱食品で卸事業のDXの旗振り役を務める田村氏は「自らの物流現場の実態を可視化し、そのデータを基に最適化を図るのが王道」と強調する。SAPジャパンの村田氏は、富士通などと組み、2024年問題で注目されるトラックドライバー不足をカバーするシステム「合い積みネット」の実用化に取り組んでおり、「DXが物流の窮状を救う好例にしたい」と意気込む。
セッションでは3氏から、自らの経験に基づくDX変革の効果と、成果を得るための課題、留意すべきポイントについて実践的な話が聞ける見通し。
そして最後にビッグゲストが登場する。西武ライオンズなど4球団で29年も現役を務め、通算224勝を挙げた大投手で、福岡ソフトバンクホークスを3回の優勝に導いた名将としても知られる工藤公康氏が、「組織を動かす信念と覚悟 ～未来を見る・創る・ひらくために～」のタイトルで講演する。
（藤原秀行）
